1996 Fiscal Year Annual Research Report
ヴィエトナム・フエ・グエン朝王宮の復原および修復・保存方法に関する基礎的研究
Project/Area Number |
08041127
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
中川 武 早稲田大学, 理工学部, 教授 (30063770)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ブー・フー・ミン ヴィエトナム国立フエ遺跡修復保存センター技術部門, 研究員
チン・カオ・トン ヴィエトナム, ハノイ国立考古学研究所, 部長(研究職)
ファン・タン・ハイ ヴィエトナム国立フエ遺跡修復保存センター歴史部門, 室長(研究職)
ゴー・チュン・ハイ ヴィエトナム, 国立都市農村計画研究所, 研究員
フン・フー ヴィエトナム国立フエ遺跡修復保存センター, 副所長
タイ・コン・グェン ヴィエトナム国立フエ遺跡修復保存センター, 所長
中沢 信一郎 早稲田大学, 理工学部, 助手 (70287978)
西本 真一 早稲田大学, 理工学部, 助教授 (10198517)
河津 優司 武蔵野女子短期大学, 講師 (50249041)
松本 修自 東京国立文化財研究所, 修復技術部第二修復技術研究室, 文部技官室長(研究職 (80099960)
白井 祐泰 共栄学園短期大学, 住居学科, 教授 (40258926)
佐藤 滋 早稲田大学, 理工学部, 教授 (60139516)
|
Keywords | ユネスコ世界遺産 / 王宮 / グエン朝 / ヴィエトナム / 修復・保存 / 東南アジア / 東アジア / 設計技術 |
Research Abstract |
1.本年度の研究実績概要 本年度は、トゥアティエン省フエ市に現存するグエン朝城郭都市の宮殿建築を対象に、第一次現地調査(夏期一ヶ月)を行い、第二次現地調査(春期一ヶ月)および第一回比較調査(中国北京紫禁城)が進行中である。 グエン朝の都城はおよそ2km四方の広域を形成し、三重の囲繞壁によって明確に区分されている。 第一次現地調査においては、最も内側の領域である紫禁城の配置図を作成するために実測調査を進めた。その結果、現況を示す配置図は完成し、造営当初の単位長さを明かにする寸法分析を試みた。また、実測データと史料からは換算値を割り出すことができ、その結果から推測される遺構尺度と固有尺度についてのメートル尺度への換算を試みた。現時点では、量地尺として一尺あたり425mm、また、営造尺として一尺あたり400mmを数ミリ超えた値を認識するに至っている。王宮の配置計画は量地尺一丈を基準単位とした配置寸法計画が成されている可能性が認められ、また、個々の宮殿建築は営造尺から設計が試みられた傾向を認めることもできよう。 第二次調査においては、単体の宮殿建築の実測調査を進め、平面・断面・立面計画を設計方法の解明という視点から調査中である。大工への聞き取り、道具の分類などと併せてヴィエトナム中部における建築技術の把握に努めている。 第一回比較調査においては、東アジアに通底する伝統的な配置計画を理解することを目的としており、風水による見立ての空間構成を解明する予定である。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] 中川、武: "阮朝王宮の配置寸法計画の分析(III)ヴィエトナム/フエ・阮朝王宮の復原的研究 その6" 1997年度日本建築学会大会学術講演梗概集. (発表予定). (1997)
-
[Publications] 白井、祐泰: "奉先殿の単位長さ ヴィエトナム/フエ・阮朝王宮の復原的研究 その10" 1997年度日本建築学会大会学術講演梗概集. (発表予定). (1997)
-
[Publications] 西本、真一: "肇廟の単位長さ ヴィエトナム/フエ・阮朝王宮の復原的研究 その8" 1997年度日本建築学会大会学術講演梗概集. (発表予定). (1997)
-
[Publications] 中沢、信一郎: "阮朝王宮の配置寸法計画の分析(IV) ヴィエトナム/フエ・阮朝王宮の復原的研究 その7" 1997年度日本建築学会大会学術講演梗概集. (発表予定). (1997)
-
[Publications] 中沢、信一郎: "ものさしの用い方と単位長さについて ヴィエトナム/フエ・阮朝王宮の復原的研究 その5" 1996年度日本建築学会大会学術講演梗概集. F-2. 491-492 (1996)
-
[Publications] 土屋、武: "興廟の単位長さ ヴィエトナム/フエ・阮朝王宮の復原的研究 その9" 1997年度日本建築学会大会学術講演梗概集. (発表予定). (1997)