1998 Fiscal Year Annual Research Report
熱帯インド・太平洋の海底洞窟生物群の自然史科学的研究
Project/Area Number |
08041162
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Research Institution | National Science Museum |
Principal Investigator |
加瀬 友喜 国立科学博物館, 地学研究部, 室長 (20124183)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千葉 聡 静岡大学, 理学部, 助教授 (10236812)
森 啓 東北大学, 理学部, 教授 (00004466)
田吹 亮一 琉球大学, 教育学部, 助教授 (60155231)
速水 格 神奈川大学, 理学部, 教授 (80037184)
武田 正倫 国立科学博物館, 動物研究部, 部長 (20000143)
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Keywords | 古生物学 / 海底洞窟 / 二枚貝類 / 巻貝類 / 生きた化石 / 実形虫類 / 進化 / 大量絶滅 |
Research Abstract |
研究代表者は、海底洞窟性巻貝のソビエツブ科の分類学的研究を進めた結果、16種の新種を見いだした(貝類学雑誌に発表)。また、パラオの一海底洞窟から、アマオブネガイ類番こ類縁の可能性のある未知種(新属・新種)が見つかった(貝類学雑誌に発表予定)。この巻貝は、これまで知られているどのグループにも類似しない風変わりな形態を持ち、海底洞窟特有のグループと判断された。 研究分担者の速水は、二枚貝類の殻サイズの時代変化と海底洞窟の同類の繁殖戦略の比較から、地質時代の生物の大量絶滅の要因について、新たな仮説(貧栄養仮説)を提唱した(遺伝に発表)。深海と同様に、海底洞窟の二枚貝類は貧栄養環境への適応として、殻サイズが極端に小さいことが明らかになってきた。大量絶滅時には、その前後の時代と比べて、二枚貝類は小型化している。隕石の衝突や他の地質的は事変が海洋の貧栄養をもたらし、その結果、大型種(あるいはグループ)が差別的に絶滅したものと解釈された。 研究分担者の武田は、パラオの海底洞窟の調査から、6種のカニ類を見いだした(NaturalEnvlronmental Scl.Res.に発表)。これらのうち、クモガニ科のSchlzophyrys dahlakは、これまで紅海南部にのみ知られていた種で、 ワタリガニ科のCharybdls paucldentataはペルシャ湾、紅海と西インド洋に知られていた種である。また、ワタリガニ科の3種(オオハシカルパガザミ、ナキガザミ、Chalybdls paucldentata)は、海底洞窟特有の種である可能性が強く示唆された。 研究分担者の田吹等は、海底洞窟から新たな「生きた化石」貝形虫の新属新種を見いだし、その起源を論じた(イギリス古生物学会誌に発表予定)。この新属は、深海に棲むCardobairdlaから進化したもので、捕食者の少ない海底洞窟に適応することで生き残ったと考えた。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Kase, T.: "The family pickworthlldae (Gastropoda : Caenogastropoda) from tropical Pacific submarien caves : four new specles of Sansonia." Venus. 57・3. 161-171 (1998)
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[Publications] Kase, T.: "The family Pickworthlldae (Gastropoda : Caenogastropoda) from tropical Pacific submarine caves : seven new species of Microllotla" Venus. 57・3. 173-190 (1998)
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[Publications] Takeda, M.: "Crabs collected from submarine caves in the Palau Islands" Natural Environmental Sci.Res.11. 43-47 (1998)
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[Publications] Kase, T.: "The family Pickworthlldae (Gastropoda : Caenogastropoda) from tropical Pacific submarine caves : Five new species of Reynellona." Venus. 57・4. 245-257 (1998)
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[Publications] 速水 格: "大量絶滅の生態学:二枚貝類の多様性とサイズ変化から" 遺伝. 52・12. 38-44 (1998)
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[Publications] Tabuki, R., Hanai, T.: "A new sigillid ostracod from submarine caves of the Ryukyu Islands, Japan." Palaeontology. 42.
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[Publications] Kase, T., Kano, Y.: "A blzzare gastropod Pluviostilla gen.et sp.nov.from a submarine cave of Palau (Micronesia) , possibly with neritopsine affinity." Venus. 58・1. (1999)
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[Publications] 速水 格: "洞窟性貝類のミラクル、257-270、奥谷喬司 編著、貝のミラクル" 東海大学出版会, 350 (1998)