1996 Fiscal Year Annual Research Report
ネパール山岳地と都市近郊における高血圧発症要因の比較研究-10年後の追跡調査-
Project/Area Number |
08041178
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Research Institution | KYUSHU UNIVERCITY |
Principal Investigator |
川崎 晃一 九州大学, 研究科学センター, 教授 (00038704)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SASHI Sharma トリブバン大学, 医学部, 助教授
GOPAL Achary トリブバン大学, 医学部, 教授
小林 茂 九州大学, 大学院・比較社会文化研究科, 教授 (30087150)
吉水 浩 久留米大学, 保健体育センター, 教授 (40220727)
伊藤 和枝 中村学園大学, 家政学部, 教授 (80104983)
大柿 哲朗 九州大学, 健康科学センター, 助教授 (20101470)
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Keywords | ネパール / 丘陵地農村 or Kotyang / 都市近郊農村 or Bhadrakali / 高血圧 / 追跡調査 / 生活形態 / 総合的調査研究 |
Research Abstract |
国内の研究者4名が39日間、1名が46日間ネパール王国を訪れ、現地の共同研究者2名を加えて、高血圧の発症要因に関する総合的な調査研究と10年後の追跡調査を実施した。調査地は、1)首都カトマンズの北東約30kmに位置する丘陵地で自給自足的な生活を営むKotyang村、2)カトマンズの中心地から約5kmの都市近郊農村であった。この2つの村は、ネパールを代表する典型的な村として、1987年に調査研究を実施した農村であった。初回調査から10年経過した現在、Bhadrakali村は住宅地として人気が高く、人口も増え、住民の生活環境や生活形態が大きく変化していた。一方Kotyang村では、農作物の変化や生活水準の向上が見られたが、依然として電気水道もなく、生活環境や生活形態に著しい変化が認められなかった。 これらの調査地で、1987年と同様な調査方法を用いて、医学・栄養学・形態学・体力学・文化人類学などの面から総合的な調査研究を実施した。調査人数はKotyang村の431名(男性:224名、女性:207名)、Bhadrakali村の594名(男性:282名、女性:312名)であった。10年後の調査研究が実施できたのは、Kotyang村が156名、Bhadrakali村は101名であった。追跡調査できた人の割合が比較的少ないのは、10年前の50・60歳代以上ですでに死亡している者が多いこと、10年前は20才以上を対象としたため当時の20才が現在30才となっていること、またBhadrakali村では人口の流出入が多かったことなどが主要原因であった。 調査対象者のうち境界域高血圧を含む高血圧者は、Kotyang村が21名(男性:9名、女性:12名)、Bhadrakali村が55名(男性:32名、女性:23名)であった。Kotyang村では10年前と同様に高血圧者が極めて少なく、Bhadrakali村は高血圧の出現頻度が比較的多かったが、10年前に比べて明らかな変化は見られなかった。 現在、医学・栄養学・形態学・体力学・文化人類学的調査のデータを大型計算機に入力し、それらの統合化を行い、地域毎のそれらのデータの分析、10年前の調査結果との比較などの分析を行っている。
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[Publications] 川崎晃一: "二十一世紀の健康をネパールに学ぶ" 九州大学開学記念講演会. (1997年5月10日発表予定).
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[Publications] 川崎晃一・伊藤和枝・小林 茂: "ヒマラヤの自然と生活(仮題)・共著" 東海大学出版, 240 (1997)