1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08041180
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
五十嵐 章 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (40029773)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WARACHIT Pai 公衆衛生省, 医科学局, 上級研究員
CHANYASANHA チャンチュ マヒドン大学, 公衆衛生学部, 助教授
SUCHARIT Sup マヒドン大学, 熱帯医学部, 教授
長谷部 太 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助手 (20253693)
江下 優樹 久留米大学, 医学部, 講師 (10082223)
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Keywords | デング / 出血熱 / サイトカイン / 媒介蚊の個体変異 / 伝播 / IgM-ELISA / 媒介蚊防除 / RT-PCR |
Research Abstract |
デング出血熱の発病機構と伝播に関する現地調査研究を、デング流行地の1つであるタイ国東北部ナコンパノム市において実施した結果、下記の知見が得られた。 (1)デング患者のウイルス学的検査には、ELISA記録計と抗原、酵素標識抗体などの測定用試薬が入手できればlgM-ELISAが適正技術である。それに対して、RT-PCRは実験条件が整備されていない地方で日常検査に使用するには問題点が多い。但し、ウイルス分離は分離株の詳細な解析を行うために不可欠である。 (2)6月に採取した患者血液検体からはデングウイルス1型、2型、3型が分離され、ナコンパノム市は依然としてデングウイルスの超汚染地域の1つであることが確認された。 (3)患者プラスマ中のサイトカインに関して、不明熱患者に比べてデング患者ではIFN-γが上昇しており、臨床的にデング出血熱と診断された患者の半数以上に見られた。 (4)乾期に臨床的にデングと診断された患者は、デング以外の感染症の可能性が高い。 (5)今回の調査において、乾期・雨期共に多数のネッタイシマカ成虫が採集され、その殆どはabdominal dorsal tcrgal pattcrn1の黒い蚊であった。残念なことにネッタイシマカ雌成虫からデングウイルス遺伝子は検出は陰性であった。従って、当初予定していたabdominal dorsal tcrgal pattcrnとウイルス感染率との関係、及びウイルス保有蚊の潜伏場所に関する知見は得られなかった。これらの課題は今後検討すべき価値があろう。 (6)1〜2月の調査によって推定されたネッタイシマカの屋内潜伏場所にオリセットネットを選択的に使用した結果、ネッタイシマカに対する防除効果が見られたことは、今後限られた経費と資源を有効に利用してデング媒介蚊防除を実施する上で重要な知見である。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Itoh T, Okuno T: "Evaluation of the polyethylene net incorporated with permethrin during manufacture of thread on efficacy against Aedes aegypti(Linnaeus)" Medical Entomology and Zoology. 447. 171-174 (1996)
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[Publications] 江下 優樹, 山田 堅一郎 ほか: "ウイルス-蚊:シマカ亜属蚊のデングウイルス媒介能について" 化学療法の領域. 12. 2023-2030 (1996)
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[Publications] 江下 優樹: "日本を取り巻く昆虫・ダニ媒介性疾病を考える:デング熱" 生活と環境. 42. 19-22 (1997)
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[Publications] 五十嵐 章: "日本脳炎とデング熱/デング出血熱" 医学のあゆみ. 177. 924-929 (1996)
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[Publications] 五十嵐 章: "デング出血熱" 最新医学-特集:新流行感染症・再流行感染症. 52. 60-67 (1996)
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[Publications] Igarashi A: "Impact of dengue virus infection and its control." FEMS Immunology & Medical Microbiology. 18. 291-300 (1997)
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[Publications] 五十嵐 章: "デング熱/デング出血熱" 医薬ジャーナル社:輸入感染症(永武 毅編), 167 (1996)
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[Publications] 五十嵐 章: "7.5ウイルス性出血熱.7.5.1デング熱/デング出血熱" 日本医事新報社:新興再興感染症(山口恵三編), 186 (1997)