1996 Fiscal Year Annual Research Report
インドネシア、パプアニューギニアの亜急性硬化生全脳炎:比較疫学(予備調査)
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08041183
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
高須 俊明 日本大学, 医学部, 教授 (90010024)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
国分 裕司 日本大学, 医学部, 助手 (40215223)
亀井 聡 日本大学, 医学部, 助手 (40142509)
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Keywords | 亜急性硬化性全脳炎 / 麻疹 / 麻疹予防接種 / インドネシア / パプアニューギニア / 国際比較疫学 |
Research Abstract |
1.麻疹について インドネシアでは地域により、発生状況が異なり、2年に1回程度の流行波が同一地域でもみられるところが多い。パプアニューギニア(PNG)では流行波がくり返すうちに人口の増加と共にendemicとなった所があったが、1986年に大流行がみられ入院数が全土で7,500を記録した。インドネシアでは報告数が1989年には全土で24万、90年に激減し、以後、年間4-10万であった。PNGでは1990-94年の入院数が年間1,500であった。致死率は両国とも地域、その他の条件により大きく異なっている。 2.SSPEについて インドネシアでは情報が少ないが、日本に比べると多発している。PNGでは明らかに多発しているおり、特に1988年以後にそれがみられる。 3.麻疹予防接種について 麻疹予防接種導入はインドネシアでは1981-82年で、急速に接種率は向上し1991年以後は90%前後に達している。PNGでは1982年からで、接種率は現在なお35-65%の間を上下している。両国とも地域による差が大きい。 4.今後の調査研究(本調査)について 麻疹予防接種導入時より前のSSPE発生状況を知るには、インドネシアについては過去にさかのぼったSSPEの発生状況の把握、PNGについては過去にさかのぼった人口動態の把握が必要である。SSPE発生の地域差の解明には、(1)麻疹罹患者当たりのSSPE発生に焦点を当て、(2)中心的病院とスタッフが存在する比較的狭い地域を選んで、(3)長期にわたり調査を続けることによって、当該地域の特性を明らかにすることが効果的と思われる。さらに、現地野外麻疹ウイルスのゲノム特性、宿主としての住民の遺伝的特性(CD46、HLAなど)、環境特性(食生活など)の研究を計画している。 インドネシアでは、同国保健省、インドネシア大学医学部小児科、インドネシア小児科学会、タルマナガラ大学小児科、ガジャマダ大学小児科が調査協力と共同研究参加の意志を表明したが、調査研究費と、現地スタッフへの成果還元および技術移転が必要である。PNGでは、同国保健省に協力の意志があり、PNG大学医学研究所、PNG大学小児科、同国保健省中央公衆衛生ラボのスタッフを混えた共 同研究計画書を作成し、平成9年3月12日に同国保健省の医学研究に関する勧告委員会委員長に提出した。平成9年4月の委員会で承認される見込みである。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 高須 俊明 ほか: "インドネシアとパプアニューギニアの麻疹、麻疹予防接種、SSPE" 医学のあゆみ. (投稿予定). (1997)
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[Publications] 高須 俊明: "カラチの神経難病(亜急性硬化性全脳炎)" Neuro-infection(日本神経感染症研究会機関紙). 2・1(印刷中). (1997)
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[Publications] 高須俊明、亀井 聡、国分裕司、西村敏樹: "厚生省特定疾患神経疾患調査研究班遅発性ウィルス感染分科会(分科会長 北本哲之)平成8年度研究報告書" インドネシアとパプアニューギニアの麻疹、麻疹予防接種、SSPE(印刷中), (1997)
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[Publications] 高須俊明: "最新内科学大系67 神経感染症と脱髄疾患;神経感染症、神経系の感染症概論(3-16ページ)" 中山書店、東京, 270 (1997)