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1997 Fiscal Year Annual Research Report

肝癌の前癌病変に関する比較研究

Research Project

Project/Area Number 08042013
Research InstitutionKurume University

Principal Investigator

神代 正道  久留米大学, 医学部, 教授 (90080580)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) WANLESS Ian.  トロント大学, 医学部, 教授
宮村 達男  国立感染症研究所, ウイルス第II部, 部長
Keywords肝癌 / 前癌病変 / 肝細胞癌 / dysplastic nodule / 肝炎ウイルス
Research Abstract

要旨
肝硬変の過形成結節は肝癌の前癌病変としての意義から、国内外で注目を集めるようになったが、その国際的な病理診断基準には用語も含め混乱がある。今回の研究を通じ、診断基準のおおまかな見解の統一を計ることができ、用語的には"Dysplastic nodule"で統一することで合意を得た。また、肝癌に合併する肝硬変は、我が国では84%がC型肝炎ウイルス(HCV)に関連するものであるのに対し、カナダではアジア系住民と白人住人の間で大きく異なる。即ち、アジア系症例の87%はB型肝炎ウイルス(HBV)関連症例であり、出身母体であるアジア各地の肝炎ウイルス感染実態を保持している。一方、白人症例では20%がHCV関連、15%がHBV関連で、このほか44%に大量飲酒歴を認めている。このように北米、とくにアジア系住民の多い地方では、人種別の病因の検討が不可欠であり、肝癌の発生に肝炎ウイルスが密接に関連していることを裏付けるように、北米ではアジア系住民に肝癌が好発している。
肝硬変の過形成結節は、我が国で14.1%、カナダで12.3%とその頻度に大差はないが、我が国では全例HCV関連肝硬変に見られ、カナダではHCV関連症例に22.2%、HBV関連症例に10.2%といずれもHCV関連症例に多く見られる。HCV関連症例に過形成結節が多い理由として、HCV関連肝硬変は3mm前後の小さな再生結節からなり、HBV関連症例は7-10mm大の大きな再生結節からなるため、前者の方が過形成結節を容易に捉えることができることによるとも考えられる。しかし、HCV肝炎ウイルス関連肝硬変は活動性炎症が持続していることが多く、それが肝癌発生と関係している可能性が示唆されることから、おなじく前癌病変としての過形成結節も好発することが推察される。

URL: 

Published: 1999-03-15   Modified: 2016-04-21  

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