1996 Fiscal Year Annual Research Report

日独比較:雇用政策と生活保障政策の交錯-公的扶助における稼働能力の活用を中心に-

Research Project

Project/Area Number	08044026
Research Institution	Shizuoka University
Principal Investigator	布川日佐史静岡大学, 人文学部, 助教授 (70208924)
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha)	KLEIN Peter ブレーメン大学, 社会政策センター, 助手 THRANHARDT A ルーベン大学, 東洋学部, 教授 HERBERT Jaco ブレーメン大学, 社会政策センター, 助手 MARTIN Seele ブレーメン大学, 社会政策センター, 助手 LEIBFRIED St ブレーメン大学, 社会政策センター, 教授上田真理福島大学, 行政社会学部, 講師 (20282254) 前田雅子大阪府立大学, 社会福祉学部, 助教授 (90248196) 瀧澤仁唱桃山学院大学, 社会学部, 教授 (60226959) 木下秀雄大阪市立大学, 法学部, 教授 (50161534) 庄谷怜子神戸女子大学, 文学部, 教授 (40071211) 穴見明大東文化大学, 法学部, 教授 (70144102)
Keywords	福祉国家 / 雇用政策 / 社会扶助 / 生活保護 / 労働市場 / 失業 / 貧困 / 就労扶助
Research Abstract	I ブレーメン及びケルンにおける共同調査により、(1)社会扶助給付の際の行政の決定事務、(2)就労拒否の際の制裁基準、(3)自立援助のケースワーク内容について、明らかにできた。こうした事務上の問題については、ドイツ側の関心はこれまで低かったが、共同調査の結果、比較研究の重要課題としてドイツ側もあらためてこの点に着目したところである。他方、トレンハルド(9月に招へい)及びゼ-ライブ・カイザー(DFGの資金をもとに来日)とともに大阪、静岡においても労働行政、福祉行政の実体を調査し、ドイツ側も日本の法制度と運用上の格差について認識を深めた。これによって、日独双方の現状認識について、共通の土台をつくることが出来た。 II ドイツにおいては、96年の社会扶助法改正により、稼働能力のある社会扶助受給者に対し、就労が義務づけられ、拒否した場合に制裁が行われるようになった。また、社会扶助基準と賃金との格差を規定する条項も法律に盛り込まれた。この点については最新の事態を明らかにできただけでなく、歴史的な検討と理論的な整理を行った。 III ブレーメンにおいて就労扶助があげてきた自立促進成果について、ヤコブス及びクラインによる調査結果がまとめられた。ケルンにおいても政策効果の検討が進められている。日本側はこの結果について報告を受け、まとめの作業に参加した。なお、日本側独自の質問事項も付加したアンケート調査を次年度に行う準備を開始した。 IV 日本については、グローバル化のもとで、従来の企業社会と福祉国家の相互依存関係に大きな変化がもたらされ、所得保障と雇用創出をどのように進めるか、模索されている事態を明らかにできた。ドイツでは、雇用促進法の改革案が提起され、失業時の生活保障と雇用創出政策の位置づけが大きく変わろうとしていることを明らかにした。

Research Products

(8 results)

All Other

All Publications (8 results)

[Publications] 布川日佐史: "ドイツ社会扶助法「就労扶助」による自治体財政削減効果" 経済研究(静岡大学). 1巻3・4号. 195-211 (1997)
[Publications] 前田雅子: "生存権の実現に関わる行政裁量の統制" 社会問題研究. 46・2. 25-66 (1997)
[Publications] Seeleib-Kaiser,Martin u.a.: "Bringing the Economy Back In:Economic Globalization and the Re-Commodification of the Workforce" ZeS-Albeitpapier. 95・16. 1-48 (1996)
[Publications] 布川日佐史: "ドイツにおける雇用政策の転換" 賃金と社会保障. 4巻下旬号(予定). (1997)
[Publications] 庄谷怜子・他: "高齢在日韓国・朝鮮人 -大阪における「在日」の生活構造と高齢福祉の課題-" お茶の水書房, 512 (1997)
[Publications] 布川日佐史共著: "規制緩和と労働・生活" 法律文化社, 360 (1997)
[Publications] Jacobs,Herbert: "Evaluierung von Maβnahmen der "Hilfe zur Arbeit" in Bremen" ZeS in Bremen, 195 (1996)
[Publications] Thranhardt,Anna Maria u.a.: "Japan und Deutschland in der Welt nach dem Kalten Krieg" Lit Verlag,Munster, 353 (1996)

1996 Fiscal Year Annual Research Report

日独比較:雇用政策と生活保障政策の交錯-公的扶助における稼働能力の活用を中心に-

Principal Investigator

布川 日佐史 静岡大学, 人文学部, 助教授 (70208924)

Research Products

[Publications] 布川日佐史: "ドイツ社会扶助法「就労扶助」による自治体財政削減効果" 経済研究(静岡大学). 1巻3・4号. 195-211 (1997)

[Publications] 前田雅子: "生存権の実現に関わる行政裁量の統制" 社会問題研究. 46・2. 25-66 (1997)

[Publications] Seeleib-Kaiser,Martin u.a.: "Bringing the Economy Back In:Economic Globalization and the Re-Commodification of the Workforce" ZeS-Albeitpapier. 95・16. 1-48 (1996)

[Publications] 布川日佐史: "ドイツにおける雇用政策の転換" 賃金と社会保障. 4巻下旬号(予定). (1997)

[Publications] 庄谷怜子・他: "高齢在日韓国・朝鮮人 -大阪における「在日」の生活構造と高齢福祉の課題-" お茶の水書房, 512 (1997)

[Publications] 布川日佐史共著: "規制緩和と労働・生活" 法律文化社, 360 (1997)

[Publications] Jacobs,Herbert: "Evaluierung von Maβnahmen der "Hilfe zur Arbeit" in Bremen" ZeS in Bremen, 195 (1996)

[Publications] Thranhardt,Anna Maria u.a.: "Japan und Deutschland in der Welt nach dem Kalten Krieg" Lit Verlag,Munster, 353 (1996)

布川日佐史静岡大学, 人文学部, 助教授 (70208924)