1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08044155
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
西田 迪雄 九州大学, 工学部, 教授 (10025968)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BEYLICH A.E. アーヘン工科大学, 教授
DANKERT C. ドイツ航空宇宙研究所, 希薄極超音速流部, グループリーダ
LEGGE H. ドイツ航空宇宙研究所, 希薄極超音速流部, 部長
新美 智秀 名古屋大学, 工学部, 助教授 (70164522)
パーク チョル 東北大学, 工学部, 教授 (30271612)
曾我 丈夫 名古屋大学, 工学部, 教授 (00023284)
手島 光司 京都教育大学, 教育学部, 教授 (90026104)
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Keywords | Jet / Space / Low Density / Nonequilibrium |
Research Abstract |
超低密度環境の空間へ膨張するいわゆる超音速ジェットでは、分子間衝突頻度が急激に低下して、熱力学的平衡を保つために必要な分子間衝突数を維持できなくなり、種々の非平衡現象が生じる。すなわち、(1)分子速度分布が平衡分布から離れる、(2)膨張の軸方向とそれに直角方向の並進温度が異なる、(3)並進温度と回転温度が異なる、(4)高温気体の場合、並進、回転、振動、電子の各温度がそれぞれ異なる、(5)化学反応は非平衡化学反応となる。超音速ジェットは、薄膜生成、超微粒子の生成、宇宙ステーションの位置と軌道制御用ジェット等の工学的応用に用いられるだけではなく、稀薄気体力学の実験研究、エネルギー緩和の実験研究、分子線への応用、クラスターの生成等の基礎研究にも用いられている。これらの研究、応用には非平衡現象の解明のみならず、非平衡効果を伴う超音速ジェットの構造の解明が重要になってくる。それゆえ、本研究では 1.超音速ジェットの構造解明とそのための革新的可視化法の開発 1.超音速ジェットの非平衡現象の実験的、及び数値計算的解明 2.超音速ジェットの先端工学応用に及ぼす非平衡効果の解明 を目的とする。 平成8年度では、6温度モデル(並進、各分子の振動、電子温度)を用いた恒温空気の熱化学的非平衡ジェットのCFD解析を確立させた(西田)。自由噴流膨張に伴う稀薄化効果についてのDSMC計算を行い、その信頼性を実験データとの比較により確かめた(手島)。化学非平衡と6温度モデルを用いた非平衡ノズル流の計算を行った(パーク)。超音速ジェットが平面板に衝突するジェットインピンジメントのDSMC解析を成功させた(曽我)。PLIF(平面レーザ誘起前期解離蛍光法)を利用した酸素の超音速流の可視化実験を成功させるとともに2次元温度計測法への応用に着手できた。また超希薄流の計測法としてドイツ航空宇宙研究所と共同で共鳴多光子イオン化法の文献調査を行い、実用化に向けて実験装置の整備をした(新美)。
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Research Products
(11 results)
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[Publications] 松本尚之、山本靖人、西田迪雄: "超音速非平衡自由噴流の計算に及ぼす温度モデルの効果" 日本機械学会論文集(B編). 62・600. 3058-3063 (1997)
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[Publications] M.Nishida,M.Matsumoto: "Thermochemical Nonequilibrium in Rapidly Expanding Flows of High-Temperature Air" Zeitschrift fuer Naturforschung. (in press). (1997)
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[Publications] 宇佐美 勝、手島光司: "オリフィス自由噴流に関するDSMC計算(DSMC法による垂直衝撃波と樽型衝撃波の再現)" 日本機械学会論文集(B編). 62・598. 2215-2222 (1996)
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[Publications] 平井悦郎、手島光司、栗田耕一、高原 茂: "I_2回転スペクトルの超微細構造を考慮した自由噴流流速測定" 日本機械学会論文集(B編). 62・599. 2596-2603 (1996)
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[Publications] Chul Park: "Evaluation of Real-Gas Effects in High Enthalpy Impulse Test Facilities. A Review" Journal of Thermophysics and Heat Transfer. (in press). (1997)
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[Publications] Chul Park: "Evaluation of Real-Gas Effects in High Enthalpy Aerothermal Facilities. A Review" Journal of Thermophysics and Heat Transfer. (in press). (1997)
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[Publications] T.Niimi,C.Dankert,B.K.Nazari: "Resonantly Enhanced Multiphton ionization for Analyses of Rarefied Gas Flows (2R+2 N_2-REMPI)" DLR-IB 223-96 A 42. (1996)
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[Publications] T.Niimi,T.Fujimoto,N.Taori: "Flow Fields of Interacting Parallel Supersonic Free Jets" JSME International Journal. 39・1. 94-100 (1996)
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[Publications] T.Ishida,T.Niimi,T.Fujimoto,H.Nakayama: "Visualization of a Supersonic Flow Using O_2-PLIF" JSME International Journal. 39・3. 533-539 (1996)
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[Publications] 石田敏彦、中山 浩、海野 敦、新美智秀: "O_2-PLIFによる超音速流れの可視化(第2報、検出系の改善と検出光の解析)" 日本機械学会論文集(B編). 62・594. 628-636 (1996)
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[Publications] 西田迪雄、新美智秀、他8名(分担執筆): "原子・分子の流れ" 共立出版, 226 (1996)