1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08044162
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
土田 充義 鹿児島大学, 工学部, 教授 (60037819)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳 粛 湖南大学, 建築系, 副教授
晴永 知之 鹿児島大学, 工学部, 助手 (40284905)
米村 敦子 宮崎大学, 教育学部, 教授 (10167041)
揚村 固 鹿児島県立短大, 生活科学科, 助教授 (70094117)
東 英寿 鹿児島大学, 法文学部, 助教授 (90218686)
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Keywords | 苗族の民家 / 収納庫 / 土間の生活 / 炉の使用 / 太貫 / 切妻屋根 / 堂と室 |
Research Abstract |
1.苗族民家22棟の実測調査 平成9年8月17日より4日間は鳳凰県駱駝山村の苗族民家16棟を調査し、残りの2日間は龍角洞村の苗族民家6棟を同様に実測し調査した。この調査にあたっては基礎資料となる実測図を作成することが重要な作業であった。そこで私達は主に平面実測を行い、湖南大学は立面の実測を行った。 その結果次の4点を指摘できた。 1)正面入口を室内に入り込ませ、窪んで入口を設けていた。 2)室内3室または4室に間仕切を入れず、広々とし中央の部屋以外に土間に炉を設けていた。 3)必ず屋根裏を収納庫とし、床材はしっかりしていた。 4)梁間が広く、正方形に近い矩形であった。 これらの形態の特徴は相互に関係していた。特に正面入口が窪んでいること(1)と2階の屋根裏を設けること(2)は、密接につながり、室内へ玄関が入り込んでいるために2階の屋根裏の収納庫へ玄関から物を入れ、その屋根裏の入口に扉を設け、荷物の出し入れをしていたことを認めうる。更に正方形に近い平面にすることで、少ない部材で広い面積を確保できる。以上のことから屋根裏を収納庫として建設することに主眼を注いでいたことを読みとることができた。 2.苗族民家の集住形態の調査 二集落共に谷間の川や池を中心に両側の山麓に民家が広がり、その谷間近くに格式を有す民家がある。そこは山村の中心であり、それを核に秩序があった。
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