1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08044184
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
落合 廣 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10002122)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福沢 雅志 ダンディ大学, 理学部, 博士研究員
斉藤 玉緒 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助手 (30281843)
JEFFREY Will ダンディ大学, 理学部, 教授
WOLFGANG Nel カッセル大学, 理学部, 教授
SALVATORE Bo トリノ大学, 医学部, 教授
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Keywords | 細胞選別 / Polysphondylium / Dictyostelium / 細胞接着 / 遺伝子破壊 / 二重変異体 / 二重遺伝子破壊株 |
Research Abstract |
下記に、今年度にえられた主な実験結果について要約する。 1. 細胞性粘菌Polysphondyliumの後期発生では、第一次柄にたいして第二次の分枝形成が起こる。この第二次分枝にたいしてgp64が分枝形成の抑制因子として働く可能性が示唆された。つまり、gp64のコーディング領域をDictyosteliumの柄細胞特異的遺伝子であるecmBプロモーターにつなぎ、強制・持続的発現をさせたところ、粘菌Polysphondyliumは集合体を形成するがそれ以降の発生が停止した。この事実は膜タンパク質gp64が粘菌の形態形成を抑制する事を示している。 2. Dictyosteliumの集合後期の細胞接着補助因子LagC関して、この遺伝子と相同性を保持するlagCIIと名ずける遺伝子が存在が判明し、この遺伝子の破壊を成功させたが、発生には影響が現れなかった、そこでLagCとLagCIIの二重破壊株を作成したところ、この株の表現型はLagCII欠損株とほぼ同じであった。そこで現在はLagCIIの過剰発現株を作成して、さらに機能の解析を進めている。 3. Dictyosteliumの集合後期の新規の細胞接着因子を同定する目的で、LagCとgp80の二重遺伝子破壊株を作成し、それらの細胞接着能を発生過程で解析した。 野生株、LagC欠損株、gp80欠損株、LagCとgp80二重欠損株の順にEDTA耐性の接着能の出現が遅れてくる事を見いだした。このことはgp80やLagCとは別の接着因子が後期発生で出現する事を示唆している。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Takahiro Morio: "The Dictyostelium Development cDNA Project:Generation and analysis of Expressed Sequence Tags from the First-Finger Satage of Development" DNA Research. 5. 335-340 (1998)
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[Publications] Tamao Saito: "Fatty Acid Composition of the Cellular Slime Mold Polysphondylium pallidum" Lipids. 33. 327-332 (1998)
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[Publications] Masaru Funamoto: "Overexpression of a dominant negative regulatory subunit of PKA leads to formation of no branching fruiteing bodies in Polysphondylium pallidum" Developmental Biology. (in press). (1999)
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[Publications] 落合 廣: "華麗な粘菌さんが今日も行く" 実験医学. 16. 1689-1689 (1998)