1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08045019
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
南條 宏肇 弘前大学, 理学部, 教授 (00106840)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MANAGADZE Al モスクワ大学, 原子核研究所, 助教授
SVESHNIKOVA リューバ モスクワ大学, 原子核研究所, 教授
ROGANOVA Tat モスクワ大学, 原子核研究所, 教授
RAKOBOLSKAYA イリーナ モスクワ大学, 教授
ZATSEPIN Geo モスクワ大学, 教授
松谷 秀哉 弘前大学, 医学部, 助手 (30241483)
市村 雅一 弘前大学, 理学部, 助手 (20232415)
倉又 秀一 弘前大学, 理学部, 教授 (10215048)
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Keywords | 宇宙線 / knee / エネルギースペクトル / 気球観測 / 日ロ共同研究 |
Research Abstract |
本研究は、宇宙線のエネルギースペクトルにおける"knee"と呼ばれる急激な折れ曲がりの原因を解明することを目的として、平成7年より年次的に行っている。平成8年度は、7月に2回、気球に測定器を搭載してカムチャッカ半島からボルガ河流域まで160時間程の長時間観測を行い、共に無事回収されて観測は成功した。回収されたチェンバーの解体は、日本側から3人が参加してモスクワで共同で行われ、また原子核乾板とX線フィルムの現像には、ロシア側から2名が参加して共同で行われた。さらに12月には日本から2名が訪ロ、平成9年2月にはロシアから2名が来日し、日ロ双方の解析結果の突き合わせおよび次年度観測計画についての検討等を行った。 平成7年のデータに対しては、陽子およびヘリウムについてのスペクトルを今までにない良い精度で得た。平成8年のデータについては、チェンバー中のカロリメーター層で起こった約1000発のカスケードを最下層のX線フィルム上で検出している。また大量のデータ解析能力をもつ宇宙線自動解析装置を日ロ双方で開発し、解析作業における大幅な省力化を可能とした。現在この装置を使い、今年度の観測データに対して、ほぼ半分の測定を終えている。また電荷決定法・エネルギー決定法など、解析面での新しい方法の開発も行った。これらについては1997年、南アフリカで行われる宇宙線国際会議で報告する予定である。 平成7年と8年の観測の成功により観測を継続して行えるめどが立った。また"knee"領域用に新しく開発したデータ処理技術やエネルギー決定法も有効であることが、今までのデータ解析により判明したので、今後年間2〜3回の観測を行い、データを蓄積して、"knee"の解明へ向けて、共同で研究を継続することは極めて意義のあるものと考えられる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 倉又秀一 他: "日露共同気球実験'96フライト報告" 大気球シンポジウム. (1997)
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[Publications] 南條宏肇 他: "日露共同気球実験'95 Summer Campaign解析結果" 大気球シンポジウム. (1997)
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[Publications] 市村雅一 他: "日露共同気球実験のための宇宙線入射粒子のエネルギー決定" 大気球シンポジウム. (1997)
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[Publications] 市村雅一 他: "長時間気球実験におけるスクリーンタイプX線フィルムの性能" 大気球シンポジウム. (1997)
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[Publications] 倉又秀一 他: "原子核乾板を用いた宇宙線入射粒子の電荷決定" 大気球シンポジウム. (1997)
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[Publications] 南條宏肇 他: "南極周回気球による一次宇宙線観測計画" 大気球シンポジウム. (1997)