1996 Fiscal Year Annual Research Report
長距離直流電力ケーブル中の蓄積空間電荷分布計測技術の開発
Project/Area Number |
08045043
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
田中 康寛 武蔵工業大学, 工学部, 講師 (30227186)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MARC.J.P Jer デルフト工科大学, 電力工学科, 研究助手
L van der Sl デルフト工科大学, 電力工学科, 教授
JOHN M Aliso ロンドン王立大学, 物理学科, 研究助手
HILL Robert ロンドン王立大学, 物理学科, 教授
高田 達雄 武蔵工業大学, 工学部, 教授 (10061532)
|
Keywords | 絶縁材料 / 空間電荷分布 / パルス静電応力法 / 圧力波法 / 熱刺激電流 / 電力ケーブル / 電子線照射 / 電流連続の式 |
Research Abstract |
今年度の研究により、以下の成果が得られた。 (1)高電界下における空間電荷分布測定装置の開発 従来の装置の測定部の電気的なシールドを強化することによりノイズを低減し、測定の自動化および短時間測定のためのシステムを開発した。これにより、従来1〜2分必要であった測定時間を約1秒に短縮した。さらに圧電素子誘起圧力波法に関して、新しい超音波パルスの発生技術を導入し、空間電荷分布測定の高分解能化を成功させた。これをパルス静電応力法の測定結果と比較し、圧電素子誘起圧力波法でも、高分解能化が可能であることを示した。 (2)高温測定装置の開発 高温領域における測定装置を開発し、室温から100°Cの温度範囲での使用が可能であることを確認した。また、この装置を用いることにより、熱刺激電流測定と空間電荷分布測定を並行して行うことが可能となり、実際に電子線を照射したPMMA(アクリル板)について空間電荷分布と熱刺激電流の同時測定を行った。 (3)解析シュミレーションプログラムの開発 電流連続の式により、熱刺激電流と空間電荷分布の関係を解析するプログラムを開発した。このプログラムにより、空間電荷分布変化と熱刺激電流の測定により、実際に試料中を移動する電荷による電流を算出できることを示した。このプログラムを用いて、実際に電子線照射PMMA板中を移動する電荷による電流を算出した。これにより、電子線照射部と未照射部で電子の移動度が異なることを明らかにした。 (4)同軸ケーブル用測定装置の開発 増幅器を完全にシールドし、ノイズを低減させ、従来の扇形電極から平板電極を有する測定装置を開発した。これにより、3〜9mm程度の絶縁体厚さを有する様々なケーブル状試料中の空間電荷分布測定を電極を交換することなく容易に測定できることを示した。
|
-
[Publications] 室中 嗣也: "平板電極PEA法を用いたCVケーブル中の空間電荷分布測定(投稿予定)" 電気学会論文誌A.
-
[Publications] 北嶋 寛規: "電子線照射PMMAの熱刺激電流と熱刺激空間電荷分布(投稿中)" 電気学会論文誌A.
-
[Publications] 佐藤 勇樹: "圧電素子誘起圧力波法の改良およびパルス静電応力法との比較" 電気学会論文誌A. 117. 257-262 (1997)
-
[Publications] 村田 光一: "交流課電下の架橋ポリエチレン中の空間電荷形成" 電気学会論文誌A. 116. 1095-1100 (1996)
-
[Publications] 今泉 陽一: "電子線照射によりPMMA中に蓄積させた3次元電荷分布の測定" 電気学会論文誌A. 116. 684-689 (1996)