1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08240104
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 敬愛 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (70013208)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上羽 牧夫 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30183213)
水崎 隆雄 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20025448)
小泉 大一 明治大学, 理工学部, 教授 (60126050)
竹内 伸 東京理科大学, 基礎工学部, 教授 (60013512)
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Keywords | 多自由度トンネル現象 / 転位 / 表面ステップ / 固体ヘリウム / 塑性変形 / 磁気映像法 |
Research Abstract |
多自由度系のトンネル現象には,結晶中の転位の運動や固体Heの結晶成長のように,粒子的描象よりも線状構造の運動過程として捉えられる現象がある.そのような系の量子トンネル運動を調べることが,この研究の目的である.H8年度(計画の初年度)には,主要設備の導入とその立上げが行われたが,今年度には付随設備の導入も行われ,本格的な実験を開始した.転位のトンネル運動を研究するグループ(鈴木,竹内,小泉)では,^3Heを用いて1K以下で固体の塑性変形実験を行うための極低温変形装置を設計・製作した.この装置は,0.5K以下の温度で定速度の引張りないし圧縮変形を数時間に亘って行い,降伏応力の温度依存性や歪速度依存性を測定することができる.超高純度のNb,Ta単結晶を作成し極低温変形実験が進行中である.Heの表面ステップを研究するグループ(水崎,上羽)では,磁気映像法による表面ステップの可視化の技術を100μK以下の温度域まで拡大するために希釈冷凍機(断熱消磁マグネット付)を導入した.これにより,従来の核断熱消磁用マグネットによって生じた磁場の乱れに妨げられることなく,精密な磁気映像が撮れることになった.また,平行して,固体Heと超流動Heの界面の不安定化に関する理論的研究も行い,不安定化が1次相転移の場合にはトンネリングが問題となることを示した.
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[Publications] K.Edagawa, T.Suzuki and S.Takeuchi: "Motion of a screw dislocation in a two-dimensional Peierls potential" Physcial Review B. 55,10. 6180-6187 (1997)
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[Publications] B.V.Petukhov, H.Koizumi and T.Suzuki: "Dissipative dislocation tunneling at elevated temperatures" Phil.Mag.A. 印刷中. (1998)
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[Publications] S.Takeuchi: "Dissociation of a dislocation into parital dislocation bounding on unstable stacking fault" Mater.Sci.Engr.A234-236. 1004-1006 (1997)
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[Publications] Y.Sasaki and T.Mizusaki: "Temperature Independent Nucleation of Solid 4He below 1K" J.Low Temp.Physics. 110. 491-496 (1998)
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[Publications] M.Uwaha: "Anisotropy effect on the flow-Induced Instability of Solid-Superfluid Interface" J.Low Temp.Physics. (印刷中). (1998)
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[Publications] T.Arai, M.Yamane, A.Fukuda and T.Mizusaki: "The Second Order Relaxation and Spin-exchange Relazation of Atomic duterium at Low Temperatures in a Low Magnetic Field" J.Low Temp.Physics. (印刷中). (1998)