1996 Fiscal Year Annual Research Report
ディスカッション技能・態度の育成・開発に関する理論的・実践的研究
Project/Area Number |
08301009
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Section | 総合 |
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
丸野 俊一 九州大学, 教育学部, 教授 (30101009)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 敦 大分大学, 教育学部, 講師 (80253376)
藤田 豊 熊本大学, 教育学部, 講師 (60238590)
安永 悟 久留米大学, 文学部, 助教授 (60182341)
南 博文 九州大学, 教育学部, 助教授 (20192362)
加藤 和生 九州大学, 教育学部, 助教授 (00281759)
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Keywords | 議論 / 議論過程 / 議論スキル / モニタリング能力 / 展開プロセス / 知識水準 / 文化 |
Research Abstract |
8年度は、次の2つの観点からこのテーマに関して,理論的及び調査的な研究を行った. 第一に,理論的には,従来の研究を概観するなかで,議論に関係する概念を分析し,概念的定義を試みると同時に,議論過程に関与している諸側面や要因の特定化を行い,議論に関わる諸過程の概念的図式を新たに提案した.要因の特定化にあたっては,(1)自己に関する基礎力(自己能力,自尊感情,議論に関する自信,自己理解の分化度と統合能力),(2)他者認知・対人認知の複雑性,(3)議論スキル(認知的能力,モニタリング能力,やり取りの技術),(4)文化に内在化した価値観,(5)議論への態度,(6)動機づけと人格特性,(7)課題・課題対象の知識水準といった多面的視点から分析した.また,それらの諸側面の要因が議論の展開過程ではどのように機能するかについての議論の展開プロセスについての概念モデルを構築した.それによって,従来の諸概念や要因を相互に関連づけることができたと同時に,今後どのような問題点が解明されるべきか,どのような観点からの研究が必要であるかの将来展望が明確になった. 第二に,議論スキルを客観的に測定できるような尺度構成の標準化を行うために,まず,議論スキルやその過程をモニターする項目としたどのようなものが考えられるか大学生を対象に予備調査を行った.そこから抽出された項目と理論的観点から分析した項目とを組み合わせ,計530項目からなる議論スキル測定尺度構成項目を作成した.次に各項目は議論の上手な人にどれだけ当てはまるか7段階評定を580名の大学生に行い,その結果を因子分析した.その結果,議論スキルならびにモニタリング能力を測定する重要な尺度構成因子が抽出された.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Shunichi Maruno and Kazuo Kato: "What is missing in the research on collaborative learning thraugh Dyalic lnterlic" 認知科学. Vol.3,No.4. 19-21 (1996)
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[Publications] 加藤和生・丸野俊一: "議論の概念的分析;概念的定義と議論に関わる諸側面や原因の特定化" 九州大学教育学部紀要教育心理学部門. 41(印刷中). (1996)
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[Publications] 丸野俊一・加藤和生: "議論過程での自己モニタリング訓練による視点の広まりと議論スキルの変容" 九州大学教育学部紀要教育心理学部門. 41(印刷中). (1996)
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[Publications] 丸野俊一・加藤和生: "社会的相互作用による知識獲得過程のモデル構築" 人工知能学会(知的教育システム研究会). (印刷中). (1997)