1998 Fiscal Year Annual Research Report
ディスカッション技能・態度の育成・開発に関する理論的・実践的研究
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08301009
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
丸野 俊一 九州大学, 大学院人間環境学研究科, 教授 (30101009)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 敦 大分大学, 教育学部, 講師 (80253376)
藤田 豊 熊本大学, 教育学部, 助教授 (60238590)
安永 悟 久留米大学, 文学部, 教授 (60182341)
南 博文 九州大学, 大学院人間環境学研究科, 教授 (20192362)
加藤 和生 九州大学, 大学院人間環境学研究科, 助教授 (00281759)
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Keywords | MK式議論尺度 / 対話型授業 / 意味空間分析 / 批判的・創造的思考 / ディベート学習 / 対人関係技能の開発 / モニタリング / LTD学習法 |
Research Abstract |
10年度は,次の3つの観点からこのテーマに関して理論的及び調査的な研究を行った。 1. MK式議論尺度の構成: MK式議論尺度は3つのコンポーネント(議論スキルの側面,モニタリングの側面,態度・価値の側面)から成りたち,各自の議論場面でのスキルや能力を測定診断するものである。しかし,昨年度まではその中でも特に議論スキルの側面に焦点を定め,外部基準尺度を用いてその信頼性や妥当性を検証してきた。本年度は,モニタリングの側面や態度・価値の側面をも含んだ議論尺度をより精緻化し,その信頼性や妥当性を検証した。その結果,信頼性,妥当性は極めて高く,尺度の標準化へ向けての確信が得られた。 2. 「話し合い」活動に対する素朴認識: ディスカッション過程のモデル化ないしは理論化を行うときに必ず問題になるのが,人々は「ディスカッション」と「「ディベート」や「意見交換」などのいわゆる「話し合い」活動をどのように識別し,認識しているのかということである。そこで,第一には大学生が抱いている「話し合い」活動に関する様々な概念の意味空間分析を行い,素朴認識を検証した。第二には,小学生を被験者とし,「話し合い」活動の中で育まれてくる可能性のある諸側面(「学びの姿勢」「批判的・創造的思考」「自主性の高まり」「立場や価値観の異なる人への思いやり」など)の素朴認識を体系的に検討し,対話型授業を効果的に展開していくための教授プログラムや教授環境設計の指針を示すことができた。 3. LTD学習法の実践: 昨年度まで開発を進めていたLTD学習法の手引きを精緻化し,教育現場(主に大学,看穫学校)で繰り返し,LTD学習法が対人関係技能の開発や創造的・批判的思考の促進や他者への共感的理解の促進などに効果的であることを実証した。
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Research Products
(9 results)
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[Publications] 丸野俊一・加藤和生・生田淳一: "MK式議論尺度の構成(1):議論スキルに関する予備的分析" 認知・体験過程研究. 6. 43-56 (1997)
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[Publications] 加藤和生・丸野俊一: "議論スキルや態度を育む要因の探索:家庭での議論と愛着スタイルの観点から" 認知・体験過程研究. 6. 57-69 (1997)
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[Publications] 江島かおる・丸野俊一: "教室の話し合い活動:中心的に発言する児童・あまり発言しない児童の観点からの検討" 認知・体験過程研究. 7. 印刷中 (1998)
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[Publications] 安永悟・江島かおる・藤川真子: "ディスカッション・スキル尺度の開発" 久留米大学文学部紀要(人間科学編). 12・13. 43-57 (1998)
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[Publications] 丸野俊一編著: "心理学のなかの論争:発達心理学における論争" ナカニシヤ出版(印刷中),
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[Publications] 丸野俊一編著: "心理学のなかの論争:発達心理学における論争" ナカニシヤ出版, 267 (1998)
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[Publications] 丸野俊一: "ディスカッションを中心とした「授業」を求めて:高橋良幸編(分担執筆):「学校」教育の心理学" 川島書店, 245 (1998)
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[Publications] 丸野俊一編著: "人はいかに人と関わりながら発達していくか" ミネルブァ書房(印刷中), (1998)
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[Publications] 加藤和生: "「甘え」の人格・社会心理学の観点から:丸野俊一編(分担執筆):人はいかに人と関わりながら発達していくか" ミネルブァ書房(印刷中), (1998)