1996 Fiscal Year Annual Research Report
ドイツ語の統語構造と意味構造のインターフェイスに関する通時論的・共時論的研究
Project/Area Number |
08301044
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Section | 総合 |
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
福本 義憲 東京都立大学, 人文学部, 教授 (90111351)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
幸田 薫 東京大学, 大学院・総合科学研究科, 教授 (30126776)
伏見 厚次郎 茨城大学, 教養部, 教授 (80125799)
重藤 実 東京大学, 大学院・総合科学研究科, 助教授 (80126078)
保阪 泰人 東京都立大学, 人文学部, 助教授 (30199468)
荻野 蔵平 東京都立大学, 人文学部, 助教授 (00134429)
|
Keywords | 統語論 / 意味論 / 中高ドイツ語 / テキストデーターベース / 生成文法 / 機能文法 / コーパス分析 / 造語論 |
Research Abstract |
平成8年7月に共同研究者の会合を行い,連絡方法(電子メール,ファックス)の詳細,ネットワークの中心とするパソコンのオペレーションシステムをUnix(Linux2.0)とすることに決定した.またコーパスの購入の優先順位の決定も行った。なお、このパソコンの購入はLinuxのバ-ジョンアップのため予定より遅れた.この会合において,平成5年度の総合研究において入力,作成した中高ドイツ語のテキストには不備があり、コンコーダンスの作成が出来ないことが指摘され,さらに校正を進めることとした.この校正は,8年度末に終了した.テキストはTeXのファイルの形でまとめられている。.研究者の便宜を図るため,2台のノートパソコンを購入した.マンハイムの国語研究所からMannheimer Korpus2,またボンの言語研究所からはLimas-Korpusを購入した.来年度Bonner Zeitungskorpusが購入できれば,ほぼ言語資料は整えたことになる.データ処理にはunixのツールが有効であるが、ドイツ語は英語と違い語形が複雑であるため,語形の同定を行ってくれるLemma2というプログラムを購入した.現在この評価を行っているところである.具体的な研究成果は以下の通りである.幸田は,日独両語のプロソディーを考察し,重さ言語と長さ言語の区別がその根底にあることを明らかにした.重藤は,"Der Ackermann aus Bomen"における複合動詞形を論じている.伏見は,語構造における主要部の問題点を指摘しその代案を提示した.岡本は,移動様態動詞の特性を結果構文に関連して考察した.中川は,話法詞(文副詞)の共起制限を,英語における先行研究の成果と対照しつつ,実証的に考察した.今後はネットワークを通じて共同研究を進めるとともに,さらなるコーパス分析を進めることにしたい.
|
-
[Publications] 中川裕之: "話法詞の共起制限について" 東京都立大学人文学部「人文学報」. 284(印刷中). (1997)
-
[Publications] Minoru Shigeto: "Komplexe Verbformen in "Der Ackermann aus Bohmen"." in:Mattheier,K.et.al.(Hrsg.)"Gesellschaft,Kommunikation und Sprache in der fruhen Neuzeit Deutschlands.(iudicium verlag)1997. (1997)
-
[Publications] 岡本順治: "「ドイツ語における移動様態動詞の特性:結果構文の意味するもの」21GC03:原口庄輔・鈴木栄一編『文法と言語理論』" 65-74 (1996)
-
[Publications] 幸田薫: "核・快音調音韻論による日独両語のプロソディの対照" ドイツ文学. 96. 1-11 (1996)
-
[Publications] 伏見厚次郎: "語構造における「主要部」" ドイツ文学. 96. 44-56 (1996)
-
[Publications] 幸田薫: "モダリテート構造におけるテーマ・レ-マの位置づけ" 平成6年度科学研究費基盤研究(B)「ドイツ語におけるモダリティの言語類型論的研究」. (1997)
-
[Publications] 鐵野善資(共編): "独和中辞典" 研究社, 2077 (1996)