1998 Fiscal Year Annual Research Report
社会資本整備に係わるLCA手法の体系化と環境評価の総合化
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08305021
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Research Institution | KYUSU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
井村 秀文 九州大学, 工学部, 教授 (20203333)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楠田 哲也 九州大学, 工学部, 教授 (50037967)
浮田 正夫 山口大学, 工学部, 教授 (60035061)
盛岡 通 大阪大学, 工学部, 教授 (30029350)
松岡 譲 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (90109033)
花木 啓祐 東京大学, 工学系研究科, 教授 (00134015)
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Keywords | LCA / 環境評価 / 社会資本整備 / 廃棄物処理システム / 都市整備 / 交通計画 / 下水道システム |
Research Abstract |
1. LCA手法の基盤整備 ライフサイクルインベントリー分析の基礎となるCO2・エネルギー消費・NOx・SOx・BOD・COD・SSの7種の環境負荷原単位について、共通性の高い素材および製造部門別に分類して整理し、原単位の経年的な変動や項目間の原単位値について考察した。 2. 環境評価の総合化とLCAの役割整理 プロジェクト評価へのLCAの適用のための課題を整理した。具体的には、費用便益分析や環境影響評価、リスクアセスメントとの関係を整理し、ライフサイクル的な考え方や誘発環境負荷をどのようにとりこんでいくか検討した。また、戦略的環境アセスメントや計画アセスメントにおけるLCAの役割についても整理した。 3. ケーススタディの実施 (1) ニュータウン ニュータウンとしての大規模な住宅地開発及び業務系の大規模再開発に関して、その基盤工事と建物工事のライフサイクルアセスメントを行った。業務系の大規模再開発の場合、建築物の用途、種類によって環境負荷がかなり異なることが明らかになった。 (2) 廃棄物処理システム ごみの発生から最終処分に至る都市ごみ廃棄物処理の評価計算プログラムを作成した。評価指標はエネルギー、二酸化炭素、コストであり、さまざまなごみ処理施策の効果をLCA的な概念の下で比較し、望ましい施策提言のツールとして利用できる。本年は、海面埋立処分場、建設廃棄物資源化施設のデータを収集・整理し、評価プログラムに組み込む準備を行った。 (3) 交通システム 交通システムに関するILCA適用に関しては、従来はシステム境界を交通施設自体の環境負荷に限定していたのを、交通施設を利用する車両の燃料消費分を同時に計量する方法を開発し、鉄道と道路といった異機能の代替案間比較を可能とした。また、自動車関連税の賦課によるCO2発生の変化を自動車のライフサイクルで評価する手法も開発した。 (4) リサイクルシステム ごみ収集過程の燃料消費量と、収集区域までの距離、収集距離、ごみ収集量の間の関係式の取得に成功した。また、食品トレイの分別収集費用は、週1回のステーション回収の場合、371円/kgであると試算された。これは、油化等のコスト100円/kgと比較して高額であることがわかった。
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Research Products
(11 results)
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[Publications] 岩渕省: "水系管路輸送を用いた都市生活廃棄物及び汚水の統合処理システム" 環境システム研究. 26. 397-404 (1998)
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[Publications] 盛岡通: "持続可能な産業社会変革のための土木建設システムの環境負荷評価" 第6回地球環境シンポジウム講演論文集. 147-154 (1998)
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[Publications] Yoshinobu Kido: "Estimation of Enrironmental Soud Actions in Replacemnt of Household Appliances by Life Cycle Inventry Analysis" Proceedings of 3rd International Confuronce on EcoBalance. 555-558 (1998)
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[Publications] 加藤博和: "LCAのイユワラ整備施設評価プロセスへの導入方法に関する一考察" 環境科学会1998年会講演要旨集. 140-141 (1998)
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[Publications] 林良嗣: "自動車関連税の課税段階の違いによるCo_2発生量変化のコーホートモデルを用いたライフサイクル評価" 環境システム研究. 6. 329-338 (1998)
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[Publications] 伊藤武美: "ライフサイクル評価を用いた講演計画に関する研究" 月刊下水道. Vol.22No.1. 44-46 (1999)
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[Publications] 浮田正夫: "リサイクル社会の課題" 環境技術. Vol.28No.2. 2-7 (1999)
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[Publications] Yuzuru Matsuoka: "Implication of ombodiad emissions indual by scuio-ecinomic oharges" European Journal of Operational Researdr. (印刷中).
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[Publications] Kainuma,M.: "The AIM model,Economic Modelling of Climate Change" OECD Workshop Report. 161-172 (1998)
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[Publications] 白濱康弘: "都市インフラストラクチャーを対象としたMIPS評価システムの構築に関する研究" 環境システム研究. 26. 383-389 (1998)
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[Publications] 武内和彦: "岩波講座地球環境学&地球環境と巨大都市" 岩波書店, 290 (1998)