1997 Fiscal Year Annual Research Report
次世代化学プラントの知的運転支援システムに関する研究
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08305032
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
橋本 伊織 京都大学, 工学研究科, 教授 (40026076)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大野 弘 神戸大学, 工学部, 助教授 (60031142)
小野木 克明 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (80115542)
冨田 重幸 宮崎大学, 工学部, 教授 (10111668)
西谷 紘一 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 教授 (63555876)
松山 久義 九州大学, 工学部, 教授 (80011039)
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Keywords | プロセスシステム / プラント監視 / 異常診断 / マンマシンシステム / プロセス設計 / プロセスオペレーション / 最適化 / 運転支援システム |
Research Abstract |
次世代化学プラントの知的運転支援システムを確立するために必要となる研究課題の中から、本年度は重点的に次の3テーマ、1)プラント監視システム、異常診断システムの開発、2)オペレーション・システムにおけるマン・マシンシステムに関する研究、3)プラント設計とオペレーション設計の融合と、そのコンカレントエンジニアリング、をとりあげて研究を行った。ここでは、得られた研究成果の中から、特に、3)の課題に関連する2つの研究結果について述べる。 1.バッチプロセス運転システムの設計 複雑な操作を必要とするバッチプロセスでは、シーケンス制御の果たす役割が大きく、そこでは、いくつかの操作が非周期的に、あるいは同時進行的に進められていく。本研究では、このシーケンス制御系の動作を離散事象システムとしてとらえ、そのモデルに条件/事象ネット(C/Eネット)を用い、そのもとで離散事象システムの設計法の開発を行った。"あるまとまった動作を一つの事象で表す"という形で仕様が階層記述されたときの設計法について検討し、ある条件を満たす仕様について、部分ごとに求められたC/Eネットモデルから、システム全体を表すC/Eネットモデルが構成できること、およびその方法を示した。 2.ウェーブレット・パッケトによるプロセスデータ解析 化学プラントの知的運転支援システムの開発のためには、プロセスデータを的確に解析するための数理的手法が不可欠である。本研究では、Projection Pursuit法と組み合わせたWavelet Packetsによるデータ圧縮について研究を進め、時系列データに対してだけでなく、化学分析データに対しても圧縮効率が極めて高いことを明らかにした。さらに、ウェーブレット・パケットから定義される時系列データの次元を監視しながら、制御系の性能低下を早期に検出する方法を開発し、ノイズレベルがある程度低い場合には、極めて有効な方法であることを明らかにした。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 加納 学: "サーボ問題および漸近的外乱除去問題へのモデル予測制御の適用" 化学工学論文集. 23・3. 421-427 (1997)
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[Publications] Shinji Hasebe: "Optimal operation policy for multi-effect batch destillation system" Computers chem.Engng.21,Suppl.S1221-S1226 (1997)
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[Publications] 野田 賢: "2成分分離バッチ蒸留塔の最適構造と最適操作" 化学工学論文集. 23・6. 934-941 (1997)
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[Publications] 村上佳広: "多重SA法を用いた化学プロセスのスケジューリング" システム制御情報学会論文集. 10・3. 144-151 (1997)
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[Publications] 西村義行: "半言語とそれの離散事象システム論への応用" 電気学会論文誌D. 118-D・2. 158-163 (1998)
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[Publications] 北島禎二: "プラント運転を行うオペレータモデルの開発" 日本プラント・ヒューマンファクター学会誌. 2・2. 106-115 (1997)