1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08306012
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
酒井 惇一 東北大学, 農学部, 教授 (00005604)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
生源寺 真一 東京大学, 農学部, 教授 (40196580)
稲本 志良 京都大学, 農学部, 教授 (80026468)
藤田 夏樹 東京大学, 農学部, 教授 (30190044)
原田 純孝 東京大学, 社会科学研究所, 教授 (50013016)
黒河 功 北海道大学, 農学部, 教授 (90125310)
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Keywords | 食糧戦略 / 世界食糧需給モデル / 地域産業連関モデル / 地域農業発展 / 経営者能力 / 中山間地域問題 / 保全型土地改良事業 / パラダイム転換 |
Research Abstract |
平成8年度〜平成9年度の資料収集、文献調査、現地調査をもとに、最終年度の今年は領域別に3つに分けたチーム毎に研究とりまとめを推進し、次のような成果をおさめた。 第1チームは、世界の食糧需給モデルによるシミュレーション分析と地域産業連関モデルによるコメ輸入自由化のわが国地域農業へのインパクト分析、さらには理論モデルを用いた各国の食糧戦略相互作用効果の定性的分析を行った。その結果、アジア地域の人口抑制や食糧増産の技術開発支援が日本の安定的食糧供給に不可欠であり、またコメ輸入自由化の地域経済に与えるマイナス効果を軽減するには、農業における高付加価値を目指した多角化戦略のみならず地域経済全体の振興策が早急に検討される必要のあることが示唆された。 第2チームは、地域農業の発展戦略プログラムを提示するために、まず農村社会と地域農業活性化の概念と論理を整理し、次に発展戦略を担う主体(自治体、農協、土地改良区、第三セクター、集落、地域リーダー、大規模経営体、株式会社等)別に戦略プログラムの構築と実現可能性を検討した。その結果、地域農業発展の主体は多様であるが、いずれにも優れた経営者能力とリーダーシップの発揮が必要とされること、またGIS(地図情報システム)や農業改良普及システムなどの支援プログラムが有効であることが示唆された。 第3チームは、第1・第2チームの研究成果をもとに今後のわが国の農業政策・制度の方向を検討すると共に、既往文献の整理を通じアジア開発途上国への開発援助政策のあり方についても検討を加えた。その結果、中山間地域問題の解決には公共性の視点に立脚した持続的地域社会存続のシナリオづくりと地方分権の推進が必要とされること、今後の土地改良事業は従来の開発型から保全型へのパラダイム転換が必要とされること、さらにフードシステムの展開に対応した新たな制度を構築していく必要があることなどが示唆された。
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Research Products
(1 results)