1996 Fiscal Year Annual Research Report
野生げっ歯類を病原巣とする人畜共通伝染病の診断法、予防法および疫学に関する研究
Project/Area Number |
08306018
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Section | 総合 |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高島 郁夫 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (30002083)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 務 麻生大学, 環境保健学部, 教授 (50239159)
森田 千春 酪農学園大学, 酪農学部, 教授 (50072369)
小川 益男 東京農工大学, 農学部, 教授 (50014949)
有川 二郎 北海道大学, 医学部, 教授 (10142704)
苅和 宏明 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 講師 (70224714)
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Keywords | 野生げっ菌類 / 人畜共通伝染病 / 病原巣動物 / 疫学 |
Research Abstract |
日本各地において野生げっし類を捕獲し人畜共通感染病の疫学調査を実施した。 1.ダニ脳炎の調査成績成績 1996年の4月と5月に、患者発生地区において採集したヤマトマダニの600匹をウイルス分離に供したところ、2株のダニ脳炎ウイルスが分離されマダニにおける最小感染率は0.33%(2/600)と計算された。1995年6月と10月に患者発生地区においてノネズミを捕獲し抗体調査を実施したところ、抗体陽性率は6月では2.2%(1/45)であり、10月には18.2%(8/44)と有意に増加した。また10月に採集したアカネズミから1株のダニ脳炎ウイルスが分離された。分離されたウイルスは単クローン性抗体による解析と核酸塩基配列の解析からロシア春夏脳炎ウイルスであることが確認された。イヌおよびノネズミの抗体調査の結果、汚染地は患者発生地区周辺および道内各地に拡大していることが判明した。 2.ハンタウイルスの調査 北海道の各地でノネズミを捕獲し抗体調査を実施したところ、道内各地のエゾヤチネズミで高率にハンタウイルス陽性個体が検出された。さらに陽性個体の肺からウイルスゲノムが検出され、遺伝子塩基配列を調べたところ流行株は北欧で流行しているPuumala型ウイルスであることが判明した。現在、道内のヒト血清につき抗体調査を実施している。 3.エルシニア属菌の調査 青森県の山岳地帯においてノネズミを捕獲し、エルシニア属菌の分離を実施した。エルシニア・エンテロコリティカ08菌が高率に分離されたので、プラスミドの性状を解析し患者株との比較を実施している。
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