1997 Fiscal Year Annual Research Report
全国情報ネットワークを用いたWilms腫瘍の臨床研究体制の確立
Project/Area Number |
08307014
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
大川 治夫 筑波大学, 臨床医学系, 教授 (30009667)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土田 嘉昭 群馬県立小児医療センター, 院長
恒松 由記子 国立小児病院, 血液科, 医長
秦 順一 慶応大学, 医学部・病理学, 教授 (90051614)
金子 安比古 埼玉県立がんセンター, 部長
岩川 真由美 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (30231723)
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Keywords | ウイルス腫瘍 / WT-1 / WT-2 / 病理セントラルレビュー / 化学療法 / 治療スタディーグループ / インフォームドコンセント |
Research Abstract |
今年度は、グループスタディのシステム運用を目指して、登録状況、治療状況、病理学的診断、分子生物学的評価及び進捗状況の把握について検討した。 (1)登録状況:小児外科学会悪性腫瘍委員会の報告症例数と比較したところ、年間30例から60例の報告例に対し、我がグループスタディは14例の登録であり(スタディ開始からほぼ半年間ではあるが)登録数の増加が急務である。年齢は5ヶ月から3才、性別は男児7例、女児7例であり、臨床病期はstage Iが2例、IIが6例、IIIが4例、IVが1例、Vが1例であった。さらに、組織標本・凍結標本送付が得られようにするためのスタディグループ側に必要な対応について検討中である。(2)治療状況:進行例において術前化学療法等、他治療試行中であり14例中3例が治療不適格症例であった。治療状況はほぼ順調である。(3)病理診断:グループスタディ参加施設での病理診断とcentral review systemにおけるそれを比較したところ、標本送付7例において、参加施設での診断とcentral reviewの結果は一致した。(4)分子生物学的解析:WT1 geneにつきサザンブロット法、PCR-SSCP-法後、異常例については塩基配列の決定を行った。送付標本5例中3例にエクソンの異常が認められた。(5)進捗状況の把握:データの収集、保存、情報提供の目的で構築したコンピューターハード・ソフトウェアシステム及びインターネットを利用したイントラネットの準備試験状況を検討した。東大生物統計学教室と筑波大学小児外科間のファイル転送は順調に行われている。参加施設との情報交換のためのネットワークの確立とともにセキュリティおよびプライバシーの保護につき検討中である。
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[Publications] Kaneko Y: "EWS-ERG fusion transcript produced by chromosomal insertion in a Ewing sarcoma" Cancer. 18 (3). 228-231 (1997)
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[Publications] Kaneko Y: "Characteristics of rhabdomyosarcoma cell lines derive from carcinosarcomas" Virchow Arch. 431 (4). 249-256 (1997)
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[Publications] Hata J: "A novel chimera gene between EWS and E1A-F,encodeing the adenovirus E1A enhancer-biding protein" Biochemical and Biophysical Research Communications. 219 (2). 608-612 (1997)
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[Publications] Hata J: "Neurogenic potential of Ewing's sarcoma cells" Virchow Arch. 430 (1). 41-46 (1997)
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[Publications] 恒松由記子: "がんの子どもへのインフォームドコンントとオープンコミュニケーション" 小児科. 38 (7). 891-900 (1997)
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[Publications] 土田嘉昭、横森欣司: "ウィルムス腫瘍" カレントセラピー. 14 (1). 127-132 (1997)
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[Publications] Tsuchida Y: "Hepatic Tumors, in Cancer in Children." Oxford University Press, Oxford, 308-323 (1997)
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[Publications] 恒松由記子: "小児科の進歩17:がん家系症候群" 診断と治療社, 95-100 (1997)