1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08307015
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
矢嶋 俊彦 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (10018749)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 英紀 岡山大学, 歯学部, 助手 (80208222)
安孫子 宜光 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (70050086)
小鷲 悠典 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (60014338)
亀山 洋一郎 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (70113066)
加藤 煕 北海道大学, 歯学部, 教授 (60001020)
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Keywords | 歯周組織 / 加齢変化 / 歯周組織線維芽細胞 / 細胞サイクル / 細胞増殖能 / c-fos発現 / IL-6産生 / コラーゲン産生 |
Research Abstract |
口腔機能の最も基本的な咬合・咀嚼機能を果たしている歯を支える歯周組織は、種々の代謝・機能障害を伴う加齢変化を示す.しかし、それの発生機序等はまだ解明されていない.そこで、9名の研究者が専門的卓越した研究方法を用い、歯周組織の加齢変化を惹起する機構の総合的解明を試みた. 若年者(11-14歳)ならびに高齢者(40-73歳)の歯周靭帯由来の線維芽細胞を用いて、細胞増殖能の変化を検討した.その結果、細胞サイクルの時間(約40時間)には両者間に有意差は認められなかった.しかし、若年者では細胞サイクルのG1-S期時間と増殖能(replicative capacity)は有意に長いことが明らかになった.さらに、老化した細胞では細胞増殖に重要な転写因子であるAP-1のドメインの一つであるc-fos発現が認められなっかた. 若年者(19-26歳)ならびに高齢者(53-69歳)の歯肉由来の線維芽細胞を用いて、歯周病原細菌(P.gingivalis)LPSによるIL-6産生の変化を検討した.その結果、高齢者線維芽細胞ではLPS刺激により有意に高いIL-6産生を示した. ラット歯周組織を用いて、加齢に伴う組織細胞化学的変化を検討した.その結果、加齢に伴い線維芽細胞のコラーゲン分泌・貪食能の低下、骨芽細胞・セメント芽細胞のアルカリ性ホスファターゼ活性の低下が観られた. このように、歯周組織の加齢に伴う組織細胞の形態的、機能的、分子生物学的変化の一部を明らかにすることができた.これらの変化が加齢に伴う代謝・機能障害の一因であり、また複合的作用していることが示唆された.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] F.Nishimura et al.: "Comparison of in vitro proliferative capacity of human periodontal ligament cells juvenile and aged donors" Oral Desease. 3. 162-166 (1997)
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[Publications] F.Nishimura et al.: "Periodontal Disease as a commplication of diabetes mellitus" Journal of Periodontology. (in press).