ライフスキルを基礎とした性・エイズ教育プログラムの開発

1997 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 08308015
• Research Institution: Niigata University
• Principal Investigator: 皆川 興栄 新潟大学, 教育学部, 教授 (20006753)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 野津 有司 秋田大学, 教育学部, 教授 (40113906) ; 望月 吉勝 旭川医科大学, 教授 (30125413) ; 岡島 佳樹 玉川大学, 文学部, 助教授 (90194349) ; 木村 龍雄 高知大学, 教育学部, 教授 (70035822) ; 武田 敏夫 千葉大学, 教育学部, 教授 (20009517)
• Keywords: ライフスキル / 性教育 / エイズ教育 / コミュニケーション / 意志決定 / 中学生 / 高校生

Research Abstract

初年度の前年では、小学校、中学校、高校に対して性・エイズ教育プログラムの開発に必要な、子どもたちの性とエイズの知識、態度、行動に関する情報を得るために、児童・生徒用調査票を検討・作成し、ベースライン研究を行った。今年度は、それを土台に、プログラムを開発し、小学5年生、中学2年生、高校2年の1クラスに対して適用した。対象地域は、研究代表者が居住する地域の小学校、中学校、高等学校の各1校づつとした。
性・エイズ教育プログラムの介入研究結果を現在分析中である。
中間的報告として、まず、小学校では、介入群1(知識+ライフスキルのプログラムを適用した群)は、介入群2(知識だけを教えた群)にくらべ、性・エイズの知識はほとんど差異は認められなかったが、態度変容に大きな差が認められた。1ヶ月、3ヶ月で大きな差が認められ、介入群1はプログラムの有効性が顕著に認められた。なお、コントロール群では、プログラム実施前後に変化は認められなかった。
高校生用のプログラムでは、小学生と同様な結果が得られ、介入群とコントロール群では、プログラム実施前後に大きな変化は認められ、1ヶ月後、3ヶ月後でも介入直後の変化が持続した。諸種の研究では、態度変容が行動変容に関連することが認められているが、今回の研究において、介入群では、性行動経験率がほとんど変化しないが、非介入群では、時間の経過とともに増加していったことが認められ、プログラムの有効性が認められたが、今後さらに結果の分析と1年後の変化について検討していく。
プログラム開発と授業実践と分析結果に、性・エイズ教育問題およびスキルトレーニングに精通し、参加を要請していた識者・研究者・教育実践者(教師)を研究協力者と研究会を開催し、実績を積んでいる。来年度の1年間でプログラムの有効性の検討とプログラムの改善を行う予定である。

Research Products

• [Publications] 皆川興栄: "自己表現のライフスキルトレーニング" 教育ツ-ウェイ(明治図書). 13・3. 11-17 (1998)
• [Publications] 皆川興栄 他: "大学生のエイズ態度と性行動の関連" 学校保健研究. 39・5. 446-453 (1997)
• [Publications] 武田敏夫: "ライフスキル学習と健康教育" 楽しい体育の授業(明治図書). 88. 5-7 (1997)
• [Publications] 武田敏夫: "「エイズ対策」-どんなスキル教材があるか-" 学校運営研究. 446. 47-50 (1997)
• [Publications] 武田敏夫: "共生と、よい人間関係スキル" ト-クライン(東京教育技術研究所). 122. 35-38 (1997)
• [Publications] 武田敏夫: "「ライフ・スキル」を学ぶ」教師と生徒の語り合い" ト-クライン(東京教育技術研究所). 124. 35-38 (1997)
• [Publications] 木村龍雄: "セクシャリティと性・エイズ教育" 大学教育出版, 128 (1997)
• [Publications] 皆川興栄(分担): "学校保健大辞典" ぎょうせい, 896 (1996)