1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08401012
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
紀平 英作 京都大学, 大学院・文学研究科, 教授 (60025070)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島田 真杉 京都大学, 総合人間学部, 教授 (10108962)
柏倉 康夫 京都大学, 大学院・文学研究科, 教授 (30283576)
永井 和 京都大学, 大学院・文学研究科, 教授 (40127113)
服部 良久 京都大学, 大学院・文学研究科, 教授 (00164872)
服部 春彦 京都大学, 大学院・文学研究科, 教授 (20022345)
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Keywords | ヨーロッパ統合運動 / ヨーロッパ共同体 / ヨーロッパ連合 / マ-ストリヒト条約 / ヨーロッパ石炭鉄鋼共同体 / マーシャル・プラン / 西欧同盟 / 冷戦 |
Research Abstract |
今日、ヨーロッパの統合運動は、ヨーロッパ連合(EU)を中心として速いテンポで進んでいる。1992年2月に調印されたマ-ストリヒト条約は、1999年1月までに経済・通貨統合(EMU)の実現を重要な目標の一に掲げた。EU内において、通貨を単一のものとし、また中央銀行を設立し、金融・為替政策を一元化するという計画である。1995年、マドリッドで開かれたEU首脳会議、さらに翌96年12月ダブリンで開かれたEU首脳会議は、その実現に向けてさらにいくつかの取り決めを行っている。新通貨の名称はユーロ(EURO)とされ、また各国がとるべき経済政策として、97年度財政における財政赤字の削減、さらにはインフレの抑制が改めて確認されたのである。20世紀が終わろうとしている今日、ヨーロッパ統合の動きは、もやは不可逆的段階にまで進んだと結論してよい。こうした20世紀後半にみる、ヨーロッパ統合の動きの起点となった事件は、1951年のヨーロッパ石炭鉄鋼共同体の形成であった。第2次大戦後、国際的には冷戦が先行する中で、ヨーロッパは西欧6カ国を中心に、統合への道を歩み始めたのである。以後の統合の流れを振り返るとき、そこには重要な二つの特徴があったようにみえる。1つは、その統合においてフランスと西ドイツの二国が大きな役割を担った点である。またいま1点は、アメリカ合衆国の動きを中心とした国際情勢が統合に、深い関わりを持った点である。平成8年スタートの本共同研究は、初年度の研究活動として、まず以上の2点が重要であることを確認した。今後は、フランスおよびドイツを中心にヨーロッパ統合への動きを、経済政治分野ばかりか思想面、さらには文化面にもかかわって、歴史的に掘り起こしていくことを目指す。また、第2次大戦以後のアメリカ合衆国の動き、さらには日本を含むアジアの動きも分析視野に入れるであろう。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 紀平 英作: "20世紀アメリカン・リベラリズムとニューディール" アメリカ法. 1997年1号. (1997)
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[Publications] 服部 春彦: "社会経済史からみたフランス革命" 西洋史学. 188. 1-18 (1996)
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[Publications] 紀平 英作: "パクスアメリカ-ナへの道" 山川出版社, 325 (1996)