1997 Fiscal Year Annual Research Report
多民族国家における多文化主義の成立と展開-言語文学教育宗教文化をめぐる諸問題-
Project/Area Number |
08401018
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
倉智 恒夫 千葉大学, 文学部, 教授 (20062614)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木下 豊房 千葉大学, 文学部, 教授 (40009692)
内間 直仁 千葉大学, 文学部, 教授 (90009704)
南塚 信吾 千葉大学, 文学部, 教授 (50055315)
水之江 有一 千葉大学, 文学部, 教授 (90009598)
前田 彰一 千葉大学, 文学部, 教授 (70023596)
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Keywords | 多文化主義 / Multiculturalism / 多言語他民族国家 / 文化的アイデンティティ / 移民文学 / エクリチュール・ミグラント / 異文化接触 / 国際化 |
Research Abstract |
1.カナダにおけるケベック問題と多文化主義政策では、カナダにおける多文化主義の成立と発展を、歴史的にあとづけるとともに、1982年以降の展開に焦点を絞り、文化政策、法政上の整備、実態を検討した。とりわけアルバ-タ大学パトリシア・クレメンツ教授、リ-・マクドナルド女史、モントリオール大学ミッシェル・ピエールサンス教授、トロント大学ローゼン・ルンテ教授、ラヴァル大学クレマン・モアザン教授、レナート・ヒルデブラント・モアザン教授らの助力を得て、多文化的環境のなかでカナダ移民作家らが創出しつつあるエクリチュール・ミグラント(移民者文学)の形成を、ジェンダー(性)、エスニシティ(民族)、ユルバニスム(都市)を軸に検証した。本研究によって現在カナダ・仏系作家の主要な作品を集書することができたので、レナート・モアザン教授との共同作業で、カナダ民族文学のデータ・ベースの構築にとりかかった。 2.他の地域における多民族国家の文化的多元性については、中欧(オーストリア、ベルギー)、東欧(ハンガリー、ユゴスラヴィア)、オーストラリアの多元的な民族文化の様態を部分的にではあるが、明らかにすることが出来た。 3.こうした多元的な言語文化の状況を国際的なフレイムにおいて観察するなかで、わが国の多層的な文化構造の検討が課題とされたが、『明治期翻訳文学書全集』の一部を集書することにより、文化的多元性への始動として、近代欧米文学を介した文化翻訳について研究を着手するにとどまり、この領域は今度の国際日本研究の課題として残された。
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Research Products
(20 results)
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[Publications] 倉智恒夫: "ベルギー象徴派論(7)ウィリアム・トグ-ヴ・ド・ヌンク" 現代文学. 56号. 21-33 (1997)
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[Publications] 前田彰一: "多言語・多文化空間としての中" 人文研究. 第27号. (1998)
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[Publications] 水之江有一: "生誕101年のエドマンド・ブランデンとその周辺" 学鐙. 32-35 (1997)
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[Publications] 木下豊房: "ポリフォニ小説の概念をめぐって-瀬石からドストエフスキーを見る" スラヴ学論集-北海道大学文学部ロシア文学研究室年報. No.2. 192-198 (1998)
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[Publications] 内間直仁: "多様な姿を見せる琉球方言" 波. 第29巻第2号. 50-51 (1997)
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[Publications] 内間直仁: "可能は〈なる〉〈知る〉こと" 大法輪. 第62巻第16号. 30- (1997)
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[Publications] 内間直仁: "千葉の方言上" カルチャー千葉. 75-80 (1997)
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[Publications] 内間直仁: "千葉の方言下" カルチャー千葉. 75-79 (1998)
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[Publications] 西村靖敬: "堀辰雄『奈穂子』とアンドレ・ジッドの三部作" 比較文学. 第40号. (1998)
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[Publications] 加藤隆: "物語としてのルカ書の枠内におけるルカ7,1-10の社会思想" 人文研究. 第26号. 83-121 (1997)
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[Publications] 加藤隆: "四つの社会類型からなる社会類型論の試み" 生命・環境・科学技術倫理研究. 79-98 (1997)
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[Publications] 加藤隆: "諸文明の形態と環境問題" 生命・環境・科学技術倫理研究. 255-275 (1997)
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[Publications] 加藤隆: "イエスは、読み書きができたか?" 言語. Vol26No9. 6-7 (1997)
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[Publications] 加藤隆: "環境問題と新約聖書" 日本の神学. 36. 109-116 (1997)
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[Publications] 加藤隆: "福音書はなぜ書かれたのか" 言語. Vol26No12. 12-27 (1997)
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[Publications] 加藤隆: "ルカ書における貧者" アレテイア. NO.20. 10-15 (1998)
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[Publications] 倉智恒夫: "パリ-歴史の風景(共著)" 山川出版社, 281-13 (1997)
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[Publications] 倉智恒夫: "ブルゴ-ニュ" 小沢書店, (1998)
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[Publications] 倉智恒夫: "両性具有(共訳・著)" 図書刊行会, 220 (1998)
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[Publications] 水之江有一: "In Honour of Edmund Blunden" Christ's Hospital,