1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08406012
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
箕輪 光博 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (60011996)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 誠 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (40012091)
佐倉 詔夫 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 講師 (70012078)
龍原 哲 新潟大学, 農学部, 助教授 (40227103)
露木 聡 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (90217381)
白石 則彦 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (50292793)
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Keywords | 森林管理 / 経営システム / 複層林 / 林地保全 / 成長モデル / 林分密度 / 競争指数 |
Research Abstract |
非皆伐施業である複層林は環境保全に寄与すると考えられており,その施業指針を導くため,上木の本数密度の異なる二段林試験地の調査試料を整備してデータベースを作成するとともに,これを用いて下木の成長解析を行った。試験地は上木が88年生スギ,下木が30年生スギで,上木の本数密度は0本区(皆伐区),50本区,100本区,150本区の4通りである。解析の結果,下木の平均胸高直径は皆伐区が最も大きく,上木本数密度が低いほど大きくなっていた。平均樹高も皆伐区が最大であったが,それ以外の二段林区の間では顕著な差が認められなかった。下木の幹材積合計,胸高断面積合計はともに上木本数密度が低い区画ほど大きかった。上木と下木の幹材積の合計値は,上木本数に関わらず類似していた。樹幹解析により単木レベルの成長経過を解析した結果,胸高直径では上木本数密度が高いほど成長が抑圧されていたが,連年成長量のピーク年齢など成長経過は一斉林のそれと類似していた。しかし樹高成長では,一斉林で認められた連年成長量のピークが見られず,パターンが異なっていることがわかった。上木及び下木の樹木位置座標を測定し,占有空間や競争状態と成長との関係を解析した結果,対象木より劣位にある隣接木からは被圧などの影響を受けないと仮定した競争指数により直径成長は精度よく推定できることがわかった。また二段林上木の利用間伐による伐倒,搬出が下木に与える影響を別な試験地で調査した。上木は81年生のヒノキ,下木は14年生のスギである。上木の収穫後に下木の損傷を調査した結果,損傷を受けなかったもの22%,木起こし等により回復が望めるもの36%で,半数以上が生存可能と判断された。損傷原木の収穫に伴う下木の損傷発生をいかに低下させるかが重要な課題である。
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Research Products
(2 results)