1996 Fiscal Year Annual Research Report
健康障害に及ぼす心理・社会的因子の解明と健康の維持増進法の開発
Project/Area Number |
08407014
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
石川 俊男 国立精神・神経センター, 精神保健研究所・心身医学研究部, 部長 (90136375)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉江 征 筑波大学, 心理学系, 助手 (70222049)
木村 和正 国立精神, 神経センター・精神保健研究所・心身医学研究部, 室長 (20225030)
川村 則行 国立精神, 神経センター・精神保健研究所・心身医学研究部, 室長 (60211869)
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Keywords | 心理社会的ストレス / alexithymia / 日常の苛立ち事 / 免疫 / 生活習慣病 / 心身症 |
Research Abstract |
初年度および次年度は健康障害に影響を及ぼすと考えられている心理社会的要因の解明を目指している。日常の苛立ち事,対処行動やalexithymia(失感情症),hardiness(勇敢さ),self efficasy(自己効力感)などの行動特性や性格傾向と生活習慣,自覚症状,免疫機能そして各種心理テストを組み合わせて基礎調査を行った。対象は3企業勤務者(それぞれ,約170名,680名,190名),1地域75名である。それぞれに異なる心理社会的要因を含めた成人病予防調査票と,協力が得られた企業および対象者より採血し免疫機能の測定を行った。これらの調査結果の解析は現在進行中である。これまでに解析された結果の一部について以下に述べる。 某企業研究所に勤める男性約170名(平均年齢46.4歳)を対象とした調査では生活習慣のうちでも特に睡眠行動との関連を検討した結果,熟眠不全との関連で生活習慣の乱れやalexithymia傾向,消極的対処行動などが明かとなった。また,alexithymiaは心身症患者の特性とも言われており,また熟眠障害は心身の健康障害と密接に関連があることが示唆され興味ある結果であった。これらの研究の一部はすでに研究協力者の福西(都精神総合研究所)との共同研究として「alexithymiaと勤労者睡眠」という形で欧文誌に発表されている。 今後も同様の調査を繰り返し,自覚症状や疾病などの健康障害やそれの指標となる可能性のある免疫機能の変化に影響を及ぼす心理社会的要因を横断的研究により特定し,prospective studyに移行して更に詳細に検討を加えていく予定である。
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Research Products
(1 results)