1997 Fiscal Year Annual Research Report
健康障害に及ぼす心理・社会的因子の解明と健康の維持増進法の開発
Project/Area Number |
08407014
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
石川 俊男 国立精神・神経センター, 精神保健研究所・心身医学研究部, 部長 (90136375)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉江 征 筑波大学, 心理学系, 助手 (70222049)
富岡 光直 国立精神, 神経センター・精神保健研究所, 流動研究員
川村 則行 国立精神, 神経センター・精神保健研究所, 室長 (60211869)
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Keywords | 健康 / 心理・社会的ストレス / 免疫 / 生活習慣病 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き今年度も企業を中心とした健康調査を実施した。特に今年度は心理社会的ストレスの身体指標として免疫機能を指標とした大規模な調査を行なった。 1)中部地方の機械製造を主体事業とする一大企業(従業員4600人)において、6月から2月までに、健康診断時に、ストレスと免疫の関係を調べる研究を行ってきた。ストレス調査用紙は、職場での仕事内容や家族の有無、年齢などのプロフィールを聞く項目と、生活習慣(喫煙、飲酒、睡眠、運動)、NIOSHストレッサー調査用紙、カラセックストレス調査用紙(仕事の要求度、裁量権、社会的支援)睡眠障害調査用紙、月経周期、パーソナリテイー(神経症的傾向、内向、外向、怒り)などから構成される。本調査に対する説明を受け、同意をした方(現時点で4000人弱)から、午前中に採血を行い、一回あたり、100人から200人の労働者の免疫測定をおこなった。(合計20回程度)。測定項目は、CD4などの、リンパ球サブセットのフローサイトメーターによる測定を主眼とし、他に、NK活性、サイトカイン測定などを施行した。結果は現在解析中である。 2)ストレッサーと社会支援、性格傾向がどのように精神的健康度(GHQ28,身体症状、不安、不眠、社会的活動障害、うつ傾向)に関与しているかを都内のサービス業の労働者(男132名、女性61名) について検討した。ストレッサーについては職場での出来事に限定するよりも日常生活全般を考慮した方がよりよく精神的健康状態を説明した。サポートは仕事に関するものが効果的であり、特に女性では上司によるサポートが効果的であった。神経症傾向は、精神的健康度と関係が示されたがストレッサーの経験頻度とも関係がありストレッサーの認知に影響した結果かもしれない。
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