1998 Fiscal Year Annual Research Report
健康障害に及ぼす心理・社会的因子の解明と健康の維持増進法の開発
Project/Area Number |
08407014
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
石川 俊男 国立精神・神経センター, 精神保健研究所心身医学研究部, 部長 (90136375)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富岡 光直 , 流動研究員
川村 則行 , 室長 (60211869)
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Keywords | 生活習慣 / 攻撃性 / 免疫機能 / NK活性 / サイトカイン / 健康 |
Research Abstract |
一般に,健康状態を左右する心理社会的要因は,(1)喫煙,睡眠、運動,飲酒などの生活習慣,(2)幼少児期の問題,(3)職業上ないしは家庭などでのストレッサーへの暴露,(4)性格,社会的支援の状態など,個人的要因(5)ストレス反応としての,抑鬱状態,自己効力感,自尊感情,何らかの精神症状などの,5つの状態に分けて考えることができる. これらのそれぞれは,独自に免疫系に作用を与えていることが明らかとなって来た.今回は,(3)のストレッサーとして,「職業性ストレス」と,(4)から,攻撃性を選び,それぞれの要因の,免疫機能,特に,NK活性とサイトカイン産生に与える影響を調べたので発表する. 職業性ストレスは、2つの中心的概念で記述することが奨励されている。一つは仕事上の裁量権で、もう一つは仕事の要求度である。これら前者が低く後者が高い仕事が、ストレッサーの強度が大きいと考える。こういう枠組みで、健康成人男子の免疫機能を調べたところ、職業性ストレスの高い群でIFN一g産生が減少していることが明らかとなった。次に、攻撃性に関しては、言動にてあらわに攻撃性を表すovert aggression,攻撃性を内向させ表現しないcovert aggression,競争心強く仕事への専心を見せるcompetitiveness and jobinvolvementという3つの概念で考える。この場合、covert aggressionの傾向が強いほど、NK活性やIFN-g産生が減少していることが明らかとなった。この心理傾向は日本人に特徴的であることから、健康管理上重要な意味を持つと考えられる。
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