1997 Fiscal Year Annual Research Report
老人性難聴関連遣伝子の細胞工学・分子生物学的研究とその臨床応用
Project/Area Number |
08407054
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高坂 知節 東北大学, 医学部, 教授 (80004646)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大島 猛史 東北大学, 医学部, 助手 (40241608)
川瀬 哲明 東北大学, 医学部・付属病院, 講師 (50169728)
池田 勝久 東北大学, 医学部, 講師 (70159614)
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Keywords | 老人性難聴 / ミトコンドリアDNA / 老化マウス / DNA変異 / 聴力障害 / RT-PCR / デジタル補聴器 |
Research Abstract |
1)関連遺伝子のクローニング 老人性難聴患者の末梢血リンパ球DNAからミトコンドリアDNA(mtDNA)をPCR法により増幅し、その変異のDNA塩基配列をDNAシークエンサーによって直接調べた。その結果、mtDNA^<4977>の欠失が高率に生じ、欠失の出現率と難聴の程度に相関があった。 2)モデル動物での遺伝子及び聴覚解析 自然老化マウスであるC57BL/6Jの14週令の若年マウスと45週令の老化マウスを用いた。ABRの閾値は若年マウス38±5dBSPL(n=7)、老化マウス85±11dBSPL(n=7)と老化マウスに有意な難聴を認めた。蝸牛よりmtDNAを抽出し、PCR法にて欠失変異を解析した。DNA塩基配列解析から、老化マウスにおいてmtDNAの4802bpの欠失が認められた。加齢による蝸牛のmtDNAの欠失変異の増加が細胞機能の低下をもたらし、老人性難聴を引き起こす可能性が示唆された。 3)デジタル補聴器への応用 世界で初めて共同開発されたデジタル型補聴器による遺伝子異常のある老人性難聴患者の補聴効果を検討した。細胞生理学、聴覚医学的解析から得られた病変の細別診断と補聴効果を検討し、現在のデジタル型補聴器の遺伝子レベルから観た詳細な適応を決定し、次世代のデジタル型補聴器の開発への基礎資料にできた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Suzuki H: "Quantitative wronic acial analysis" Hear Res. 114. 223-228 (1997)
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[Publications] Suzuki H: "P2 purinoceptor of the globular substcene" Am J Physiol. 42. C1533-1540 (1997)
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[Publications] Goto S: "Expression and localization of the Na-K-2Cl" Brain Res. 765. 324-326 (1997)
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[Publications] Kawase T: "Freqvency sunnaltin obsered in" Hear Res. 108. 37-45 (1997)
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[Publications] LKeda K: "Molecular and clinical implications" Hear Res. 107. 1-8 (1997)
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[Publications] Oshima T: "Alternative splicel isoforms of Na^+/Ca^<2+>" BBRC. 233. 737-741 (1997)