1997 Fiscal Year Annual Research Report
感染歯髄保存のための新抗菌性生体親和性材料の開発並びにその修復技法の確立
Project/Area Number |
08407063
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
岩久 正明 新潟大学, 歯学部, 教授 (70013927)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉羽 邦彦 新潟大学, 歯学部・附属病院, 助手 (30220718)
山賀 雅裕 新潟大学, 歯学部, 助手 (10260548)
鮎川 幸雄 新潟大学, 歯学部, 助手 (00183145)
子田 晃一 新潟大学, 歯学部, 助教授 (90018755)
星野 悦郎 新潟大学, 歯学部, 教授 (90124619)
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Keywords | 感染歯髄 / 偏性嫌気性菌 / メトロニダゾール / αTCP / 生体親和性 / 抗菌剤 / 被蓋硬組織 / 歯髄保存 |
Research Abstract |
本年度は、交付申請書に記した研究実施計画に従って研究を進め、以下のような成果が得られた。 まず、基礎的研究としては、第一に、う蝕による歯髄反応を検索する目的で、特にその免疫応答について観察した結果、う蝕病巣直下の歯髄組織に抗原提示細胞(HLA-DR陽性細胞)と神経線維とが集積し、互いに密接に関連して観察され、歯髄組織修復との関連性が示唆された。 第二に、歯の発生過程と修復象牙質形成過程における細胞分化のメカニズムと基底膜の機能を比較する目的で、歯の発生過程における基底膜構成成分ラミニン-5の発現と局在した結果、ラミニン-5は発生時期に特異的な発現パターンを示すこと、また細胞分化の過程で基底膜構成成分の変化が起こることが明らかにされた。 第三に、生体親和性直接覆髄材・αTCPに、感染歯髄等に存在する細菌の圧倒的多数を示す偏性嫌気性菌に特異的に有効な抗菌剤を加えて、ボランティアの抜去適応歯に直接覆髄を行い、被蓋硬組織形成時に現れる糖タンパクであるフィブロネクチンなどを特殊染色法により検討し、その形成メカニズムの解明を試みている。 第四には、特殊技法により、慢性感染病巣作製のモデルを確立し、その病理組織免疫学的検討を行った。 第五には、病巣無菌化後の再感染を防止するための接着性、抗菌性修復材料の検討のために、新しく開発された接着性コンポジットレジンレジン用フッ素含有ボンディング剤からのフッ素の溶出、歯の組織への取り込み、酸抵抗性の強化などの研究を行い、その有効性を明らかにした。 また、臨床研究としては、前年からの試作新抗菌性生体親和性材料による感染象牙質、感染歯髄保存のための治療法をボランティアにより継続し、好成績を得ている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Kunihiko Yoshiba et al.: "Expression and localization of laminin - 5 subunits during mouse tooth development." Developmental Dynamics. (in press). (1998)
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[Publications] Nagako Yoshiba et al.: "Expression and localization of laminin - 5 subunits in the mouse incisor." Cell and Tissue Research. (in press). (1998)