1999 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトの睡眠中の Bruxism に関する臨床的研究
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08407065
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
小林 義典 日本歯科大学, 歯学部・歯科補綴学教室第1講座, 教授 (20095102)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋山 仁志 日本歯科大学, 歯学部, 講師 (60231841)
志賀 博 日本歯科大学, 歯学部, 助教授 (50226114)
児玉 秀夫 日本歯科大学, 歯学部, 助教授 (40120654)
五島 朋幸 日本歯科大学, 歯学部, 助手 (70247047)
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Keywords | 無歯顎患者 / 無線テレメーターシステム / Bruxism / 脳波的睡眠段階 |
Research Abstract |
無歯顎患者の睡眠状態、特にbruxismの様相を明らかにする目的で、正常者と無歯顎患者の夜間睡眠中の生体現象を調べた。なお、無歯顎患者は、無咬頭人工歯を排列した治療義歯により咀嚼系の機能が安定したと認められる者とした。無線テレメーターシステム(日本光電社製WEE-6112、WEB-5000)を用いて、被験者の夜間睡眠中の脳電図、眼球運動図、心電図、咬筋筋電図、オトガイ筋筋電図、呼吸電図(鼻部、胸部、腹部)を終夜同時記録した。次いで、睡眠脳波解析装置(日本光電社製DEE-1100)を用いて、終夜の脳波的睡眠段階を30秒毎に判定、分類後、全睡眠時間、bruxismの発現頻度、brusismの持続時間について正常者群と無歯顎患者群との間で比較した。なお、bruxismは、原波形上で睡眠直前に記録した嚥下時の咬筋筋活動よりも大きい筋活動をburst、またburstとの間隔が5秒未満で発現したもの、あるいは5秒以上持続したburst群とした。 結果は、以下の通りである。 1.全睡眠時間は、正常者群と無歯顎患者群がほぼ同じで、両群間に有意差が認められなかった。 2.Bruxismの発現頻度は、無歯顎患者群の方が正常者群よりも有意に少なかった。 3.Bruxismの持続時間は、無歯顎患者群の方が正常者群よりも短く、両群に有意差が認められた。 4.これらのことから、無歯顎患者の夜間睡眠中のbruxismは、機能的に安定している場合には、正常有歯顎者のレベル以下で少なく、夜間睡眠中のbruxismに起因する咀嚼系の機能障害を惹起する可能性が少ないことが明らかになった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 志賀 博 他: "頭蓋下顎障害患者の夜間睡眠中の生体現象-咬筋筋活動に対応した心拍数-"日本顎口腔機能学会雑誌. (第17回学術大会にて発表・投稿予定).
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[Publications] Yoshinori KOBAYASHI et al: "Sleep profile of CMD patients"Journal of Dental Research. 78・5. 1132 (1999)
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[Publications] 稲葉 仁 他: "頭蓋下顎障害患者の夜間睡眠状態-Bruxism発現前後の睡眠段階-"日本補綴歯科学会雑誌. 43・102回特別号. 218 (1999)
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[Publications] Yoshinori KOBAYASHI et al: "Sleep condition of CMD patients"Journal of Dental Research. 78(special Issue). 213 (1999)
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[Publications] Yoshinori KOBAYASHI et al: "Sleep stages in each sleep cycle of TMD patients"Journal of Dental Research. (第78回IADRにて発表予定).
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[Publications] 小林義典 他: "無歯顎患者の夜間睡眠中の生体現象"日本補綴歯科学会雑誌. (第104回学術大会にて発表予定).