1997 Fiscal Year Annual Research Report
脱灰エナメル質の再石灰化生成物質の超微構造に関する研究
Project/Area Number |
08407069
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
大森 郁朗 鶴見大学, 歯学部, 教授 (70064342)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 由美子 鶴見大学, 歯学部, 助手 (30237284)
高見澤 豊 鶴見大学, 歯学部, 助手 (10257347)
高橋 智秀 鶴見大学, 歯学部, 助手 (40247341)
伊平 弥生 鶴見大学, 歯学部, 助手 (40200018)
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Keywords | 脱灰エナメル質 / 再石灰化現象 / HREM / HEBP所見 / フッ素徐放性コート材 / EPMA所見 |
Research Abstract |
脱灰エナメル質表層にエピタキシ-によって生成される再石灰化物について、その生成過程に影響を与える因子のうち、生成阻害因子としての獲得被膜の影響を高分解能電子顕微鏡(HREM)によって観察した。すなわち、全唾液に2時間浸漬して脱灰歯表面に獲得被膜を吸着させたエナメル質に、灌流実験装置を用いて再石灰化液を5日間作用させて試料を作成した。再石灰化液を作用させる際に、24時間ごとに歯表面を電動歯ブラシで刷掃したものを実験群、刷掃を行わなかったものを対照群とした。これらの試料をHREMで観察したところ、実験群ではアパタイト結晶構造をもったウィスカ-の生成が認められたのに対して、対照群では、ウィスカ-の生成が塊状の不規則な状態として観察された(45回JADR大会発表、1997年12月)。この現象については、さらに実験条件を変えて検討を続けている。一方、石灰化促進因子の一つとして、フッ素徐放性接着性コート材(Fコート材)を脱灰エナメル質表層に塗布して灌流実験装置を用いた再石灰化実験を行い、Fコート材直下ならびに周辺エナメル質の再石灰化の状態を、電子線微小部分分析装置(EPMA)を用いて観察した結果を日本小児歯科学会の英文機関紙Pediatric Dental Journal17巻1号(1997)に発表した。Fコート材直下や周辺脱灰エナメル質へのフッ素の供給状態や周辺エナメル質の再石灰化状態をEPMA所見と反射電子像所見によって明らかに示すことができた。 これらの基礎的所見をもとに、小児歯科臨床の場で、来院患者の乳臼歯隣接面にFコート材を塗布した後、それらの乳歯の脱落を待って資料とし、乳臼歯隣接面についてEPMAによる観察を行っている。これらの観察結果は第45回ORCA学会(1998年7月)で発表する。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Idaira,Yayoi, Nakajima,Yumiko and Ohmori,Ikuo: "EPMA observation of the acid-etched enamel covered by F-coating material" Pediatric Dental Journal. 7・1. 73-79 (1997)