1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08408013
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
首藤 伸夫 東北大学, 工学部, 教授 (90055137)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 智幸 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40261599)
今村 文彦 東北大学, 工学部, 助教授 (40213243)
田中 仁 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30171755)
箕浦 幸治 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10133852)
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Keywords | 津波 / 土砂移動 / 底面境界層 / クノイド波理論 / 掃流砂量 / 巻き上げ砂量 / 掃流力 / 浮遊砂濃度 |
Research Abstract |
津波による土砂移動を解析するためには、掃流力を発生させる底面境界層および掃流力による流砂現象の把握が不可欠である。本研究では、それぞれについて、以下の成果を得た。 1.底面境界層 従来は正弦振動流を仮定して境界層の研究を行ってきたが、津波来襲時には強い非線形性を示すため、クノイド波理論を用いた解析を行う必要がある。 そこで、非線形波動による底面境界層を模擬する非対称振動流を発生させるための新しい手法を提案した。これにより、従来良く用いられているサーボモータによりピストンの運動を制御する手法に比べて、簡便かつ安価に装置を開発できるようになった。理論解析の結果、この手法による流速波形は広い範囲でクノイド波理論による厳密解に一致することを確認した。また、実際の装置の設計が簡単に行なえるように、波浪特性が与えられた時に装置の緒言を決定するための式を導出した。さらに、ここに示した手法が、浅水域での前傾化した波動下の底面境界層実験にも用いることが出来ることを示し、装置の緒言を決定するための図を得た。 2.流砂現象 津波を想定した大きな外力を発生させるための実験装置を開発した。実験では、掃流形態と浮遊形態で運搬される砂粒を独立に測定し、掃流砂量および浮遊層への巻き上げ砂量と掃流力の関係を求めた。 実験結果を基に、津波を対象とした土砂移動モデルを構築した。モデルは、掃流層と浮遊層から構成され、両層の交換砂量が新たに導入されている。従来の局所フラックスおよび平衡浮遊砂濃度を仮定したモデルでは、津波来襲時の浮遊砂が卓越し、非定常性の強い土砂移動やそれに伴う海底変動を説明することができなかった。しかし、提案モデルでは、底面から巻き上げ砂を考慮し、浮遊砂濃度の平衡を前提としていないため、再現性が向上している。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] ムスタファアタウスサマド, 田中仁: "孤立波動下の底面境界層に関する研究" 水工学論文集. 42(印刷中). (1998)
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[Publications] Minoura, K., Imamura, T. Takahashi and N.Shuto: "Sequence of sedimentation processes caused by the 1992 Flores tsunami : Evidence from Babi Island" Geology. 25/No.6. 523-526 (1997)
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[Publications] Sana, A.and H.Tanaka: "Improvement of the full-range equation for bottom Iriction under three-dimensional wave-current combined motion" Coastal Engineering. 31. 217-229 (1997)
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[Publications] Tanaka, H.and A.Sana: "The variation of frictional resistance under long waves in cross-shore direction" Computer Modelling of Seas and Coastal Regions III. 233-242 (1997)
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[Publications] Tanaka, H., B.M.Sumer and C.Lodahl: "Theoretical and experimental studies on laminar boundary Tayer under cnoidal waves" Coastal Engineering Journal. 40/No.1(印刷中). (1998)
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[Publications] Tanaka, H., A.Sana and H.Yamaji: "Experimental and numerical investigaion on asymmetric oscillatory boundary layers" Journal of Hydroscience and Hydraulic Engineering. (印刷中). (1998)
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[Publications] Tanaka, H., H.Yamaji and A.Sana: "Experimental study on non-linear wave boundary layers" Proceedings of 26th International Conference on Coastal Engineering. (印刷中). (1998)