1996 Fiscal Year Annual Research Report
日系ブラジル人の定住化に関する調査研究-日伯両国同時調査に基づいて-
Project/Area Number |
08451046
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
喜多川 豊宇 東洋大学, 社会学部, 助教授 (40103569)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島田 知二 東洋大学, 社会学部, 助教授 (50058153)
園田 恭一 東洋大学, 社会学部, 教授 (20009898)
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Keywords | 出稼ぎ / 日系ブラジル人 / 定住化 / 半定住化 / ブラジル・タウン / ゲット-型 / 外国人メディア環境 / グローバル・シティー型 |
Research Abstract |
1990年の新入管法で定住ビザを与えられて急増した出稼ぎ日系人の送り出し側である伯国で、我々は、1994年以来3年継続で文部省国際学術研究の助成を受け、日系ブラジル人の生活構造・意識に関する調査研究を実施してきた。本調査研究は、これと表裏一体をなすものである。来住日系人の日本滞在が長期化し、中には判定住、定住意向をもつものも増加している。 中心の調査地点は、1996年11月に調査を実施した外国人登録が全住民の10%を超えて日本一になった群馬県大泉町である。412名の面接アンケート調査を実施した。大泉町調査は、1990年以来継続して実施している。しかもこの内、80%以上が日系人である。これに続いて、1997年2月名古屋市中区大須ブラジル・ショッピングプラザで、376名の面接アンケート調査を実施した。これに先行して、日系人の登録数で日本の最大値を示す静岡県浜松市で、210名の面接アンケート調査を昨年6月に実施している。これらを合計すると998名に達する。これは、在日日系ブラジル人の0.7%に相当する。調査によって得られた、3地点の日系人の生活構造・意識に関する理念型は、(1)ブラジル・タウン型(大泉町):ブラジル・タウン形成傾向、(2)ゲット-型(浜松市):日系人丸抱え集住傾向、(3)グローバル・シティー型(名古屋市):巨大都市の中の住み分け傾向の三類型である。 これらの諸地域では、労働、保健,福祉、居住、教育、地域や職場での人間関係、メディア環境、異文化摩擦など種々の現実的な問題解決を迫られている。こうしたニーズに応えるべく、日系人の生活構造・意識に関して、日伯両調査で得られた知見を総合して、調査研究を進めてきた。 次年度以降は、これらの結果を踏まえて、日系人の保健・福祉問題にアプローチしたい。特に、日系ブラジル人の精神障害に問題の実証的なケース・スタディーを展開したい。合わせて、衛星放送、インターネット等のニュー・メデイア系の日系人のメデイア環境の基礎調査を行いたい。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 喜多川豊宇: "浜松市における日系ブラジル人の生活構造と意識-日伯両国調査を踏まえて-" 東洋大学社会学部紀要. 34-1. 109-200 (1996)
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[Publications] 喜多川豊宇: "ブラジル移民及び来住日系ブラジル人の生活-構造・意識の変化に関する総合的現地調査研究-" 東洋大学社会学部紀要. 34-2. 167-423 (1996)
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[Publications] 喜多川豊宇: "ブラジル・タウンの形成とディアスポラ-日系ブラジル人の定住化に関する7年継続調査-" 東洋大学社会学部紀要. 34-3. 65-182 (1997)