1997 Fiscal Year Annual Research Report
日系ブラジル人の定住化に関する調査研究-日伯両国同時調査に基づいて-
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08451046
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
園田 恭一 東洋大学, 社会学部, 教授 (20009898)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朝倉 隆司 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (00183731)
島田 知二 東洋大学, 社会学部, 助教授 (50058153)
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Keywords | 群馬県大泉町 / 日系ブラジル人 / 日系コロニア / 来日の動機 / 定住意識 / 生活水準 / 言語能力 / アイデンティティ |
Research Abstract |
本年度の調査研究は、群馬県伊勢崎市並びに同県邑楽群大泉町を中心として行なわれた。これらのうちの大泉町は、県の南東部に位置し、第2次世界大戦中の中島飛行場跡地には富士重工が誘致され、米軍基地跡には三洋電機が進出し、この2社を中心に発展した町である。1986年末当時は町で外国人登録を行なっていた日系ブラジル人はゼロであったが、10年度の1996年6月1日現在では、町人口42,229人中の外国人の占める割合は10%を越えるというように急増し、新入管法の施行後は日系ブラジル人の増加はより顕著となり、日系コロニアも形成されてきている。 以下は大泉町を中心として得られた日系ブラジル人276名のデータを主として示す。対象者の性別は男性52.4%、女性41.7%、不明5.8%、年齢別構成では18から39歳が7割以上を占め、若い層が中心となっていた。 国籍は日本1.4%、ブラジル92.0%、二重国籍4.3%、その他0.7%で、ほとんどがブラジル国籍、来日の動機は「お金を稼いで良い暮らしをするため」が54.2%、次いで「ブラジルの経済や社会の状況に不満があったから」が38.6%となった。 回答者の平均月収は約21万円で、経済面での生活の評価は過半数が「苦しい」と感じていた。「今後ずっと日本に住み続けようと思う」者は僅か1.1%で、「できる限り早くブラジルに帰ろうと思う」が34.4%、「何年か日本に住んでみて、良ければ住み続けようと思う」が24.3%、「日本を中心に暮らしながら、時々ブラジルに帰ろうと思う」は13.8%であった。 日本語が「自由にできる」「かなりできる」は、話す42.9%、聞く55.3%、読む21.1%、書く14.8%、他方ポルトガル語でのそれは、話す62.2%、聞く75.1%、読む65.4%、書く60.3%となった。 「自分は日本人である」というアンデンティティは、「全くそう思わない」者が70.1%で、逆に「ブラジル人という自覚がある」者は87.6%を占めていた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 園田恭一,朝倉隆司: "ブラジルにおける日系人の生活と健康" 平成6年度-平成8年度科学研究費補助金研究成果報告書. 1-59 (1996)
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[Publications] Takashi Asakura and Kyoichi Sonoda: "Ethnic Identity and Supportive Human Relationships of Japanese Descendants in Brazil in Munakata,T.Onuoha,F.,and Suwa,S.eds." CRISIS BEHAVIOR TOWARD GROUTH & SOLIDARITY,Proceedings of The Third International Conference of Health Behavioral Science,. 151-155 (1996)