1998 Fiscal Year Annual Research Report
日系ブラジル人の定住化に関する調査研究 -日伯両国同時調査に基づいて-
Project/Area Number |
08451046
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
園田 恭一 東洋大学, 社会学部, 教授 (20009898)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朝倉 隆司 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (00183731)
喜多川 豊宇 東洋大学, 社会学部, 教授 (40103569)
島田 知二 東洋大学, 社会学部, 教授 (50058153)
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Keywords | 大泉町 / ブラジルタウン / 日系人 / “デカセギ"の国際社会学的研究 / エスニック・アイデンティティ / 中国帰国者 / 在日日系ブラジル人 / 定住志向 |
Research Abstract |
平成10年度の研究は、平成8年および9年に実施された3グループの集計、分析、報告書作成と印刷という、成果の整理と刊行の作業に主としてあてられた。 これらのうちの第1の喜多川豊宇を中心として、群馬県大泉町、浜松市、および名古屋市で実施された調査のとりまとめは、『日系ブラジル人の定住化』として『東洋大学社会学部紀要』第36巻第3号に収載され、平成11年3月には刊行されるはこびとなっている。そこでは在日日系ブラジル人の35%が日本への定住を、47%が半定住化の意向をもっているという調査結果が示された。 第2の、園田恭一と朝倉隆司らによる同じく大泉町を中心とした調査は、『滞日日系ブラジル人の生活と健康』と題して、これも『東洋大学社会学部紀要』第36巻3号に掲載され、11年3月の刊行予定となっている。なお、ここでの「エスニック・アイデンティティ」に関する項目においては、滞日日系ブラジル人の「日本に住む」とか「日本人である」とかの意識は弱く、「ブラジルに住む」とか「ブラジル人である」とかの意識が強いという結果が示された。 そして、これら在日の日系ブラジル人と対比する意味で、ほぼ同じワーディングを用いて関東地区に居住している「中国帰国者」を対象として実施された第3の調査は、園田恭一、藤沼敏子らによって『中国帰国者の生活分析』としてまとめられ、『東洋大学社会学部紀要』第36巻第2号に収載され、平成11年1月に刊行された。そこでは、「中国帰国者」の永住志向が強まって来ていることが明らかとなった。現在、これら3本の論文を合本した報告書を本科学研究費の3年間の成果として作成中で、これも平成11年3月中には発行できる見通しである。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 園田恭一・朝倉隆司: "滞日日系ブラジル人の生活と健康" 東洋大学社会学部紀要. 36巻・3号. (1999)
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[Publications] Asakura,T., Sonoda,K.: "Ethnic Identity and Supportive Human Relationship of Japanese Desoendants in Brazil" Crisis Behavior Toward Growth & Solidarity. 151-155
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[Publications] Kitagawa,T.: "A Sociolgie do Dekassegui : Estudos Sociologicos da Imigracso Japonese" Estudos Japonese. 18. 9-22 (1999)
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[Publications] 喜多川豊宇: "日系人家族の言語及び非言語文化継承に関する定住家族機能論〜ブラジル・ハワイ国際社会学的調査研究を通して〜" 東洋大学社会学部紀要. 36巻・2号. 5-38 (1999)
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[Publications] 喜多川豊宇: "大泉町ブラジルタウン日系人“デカセギ"の国際社会学的研究" 東洋大学社会学部紀要. 36巻・3号. 1-175 (1999)
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[Publications] 喜多川豊宇: "新来・定住外国人資料集成" 明石書店, 390 (1998)