1997 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の意識・行動と家族・コミュニティの対応に関する比較研究
Project/Area Number |
08451050
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Research Institution | RISSHO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
吉岡 雅光 立正大学, 文学部, 助教授 (20175673)
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Keywords | 高齢化 / 家族 / コミュニティ / 過疎 |
Research Abstract |
本研究は、高齢者が家族とコミュニティとの関わりのなかで生活している現況を調べるとともに、彼らが家族やコミュニティに対してどのような要求と希望を持っているのかということについて、過疎地域の社会調査を通じて明らかにしようとするものである。 1.われわれは過疎化と高齢化の著しい栃木県足尾町を対象に社会調査を実施した。われわれが過疎地域を対象とした理由は、そこがわが国の高齢社会状況の先陣を切る地域であり、高齢化の問題性が集約的に現れる場所と考えたからである。また、首都圏の過疎地域を選んだ理由は、調査の時間的・経済的制約に加えて、首都圏には非常に深刻な過疎地域があるにもかかわらずしばしば見落とされがちだからである。足尾町を選んだ理由は、この研究をわれわれの一連の継続的な過疎地域研究に連結させるためである。調査の方法は、一般町民対象の統計的なサンプル調査と、地域の実情に詳しい自治会長対象の非指示的面接調査を併用し、量的な面と質的な面をフォローしようと企図した。調査の内容は次の通りである。1)冠婚葬祭の変化と現在の問題点、2)家族とのかかわりからみた高齢者の生活実態、3)高齢者に対する地域の機能、5)高齢者の愉しみと地域への要望 2.今年度は実地調査が主となったので、研究費は主としてそれらの旅費、補助員への謝金、および集計・分析のための消耗品として支出した。 3.平成8年度の途中から科研費研究として組み込んだ群馬県上野村の調査に関しても、今回可能な限り平行してデータを整理した。この調査と足尾町の調査結果とを比較することは、今回の研究成果をより実りあるものにするものと確信している。
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