1998 Fiscal Year Annual Research Report
巨大開発進展地(泉南・紀北)の地域社会の形成と変貌に関する歴史的総合的研究
Project/Area Number |
08451075
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
高嶋 雅明 和歌山大学, 経済学部, 教授 (90031848)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
泉 健 和歌山大学, 教育学部, 助教授 (80107995)
柏原 卓 和歌山大学, 教育学部, 教授 (40037015)
山田 良治 和歌山大学, 経済学部, 教授 (00135831)
上村 雅洋 和歌山大学, 経済学都, 教授 (00151837)
藤本 清二郎 和歌山大学, 教育学部, 教授 (40127428)
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Keywords | 飯盛寺 / 岸和田藩 / 地域開発 / 童唄 / 紀伊一宮 / 泉南地域 / 関西国際空港 / 和泉八景 |
Research Abstract |
3ヵ年目の本年度は、収集資料の分析・検討・報告書の作成を行なった。調査分析の概要は次のようである。 「歴史分析」の分野。中世(13〜14C.)、紀・泉の国境地域に信仰圏をもつ飯盛寺が隆盛し、両国に領地をもつ高野山はこの頃寺領再建を行ない、紀北泉南地域の一体化が進んだ。近世では、岸和田藩と紀伊徳川藩の成立により紀・泉両地域では独自な歩みが進み、泉州では廻船業の展開により全国的な商品流通と結びつきながら、和泉一国内部の結合が強まった。近世〜近代には商業的畑作農業や地場産業の興隆を契機に紀北と泉南地域が結合を強めたが、大阪を極とした大阪南部という地域社会の形成の側面があったことなどを解明した。 「現状の経済分析」の分野。泉州地域の北から南部に向けての都市開発、農地の減少傾向が1960〜70年代を画期に80年代以降に急速に進展したこと、大型店舗を中心とする商業施設が増大する一方、繊維を中心とする在来工業は解体のテンポを速め、農村共同体は変質、消失しつつある。関空開港後はプラスの効果より停滞・減退傾向を示していることを解明した。 「文化分析」の分野。泉州の名勝地を詠み込んだ「和泉八景」が近世に流布していたこと、泉南各地に今日も豊かな俗謡・童謡が残り、民俗行事が継承されている(近年担い手は減少している)こと、紀ノ川筋では写し巡礼地参詣が、近世以降意味を変えながら今日まで存続していること、伝統的地域社会が維持される一方、明治後期以降、全国共通語的性格を有する言語の使用、戦前より在日朝鮮人の定住など、多様な側面から地域社会の維持と変容の具体相を解明した。
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Research Products
(2 results)