1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08451084
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
須藤 隆 東北大学, 文学部, 教授 (00004060)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊池 佳子 東北大学, 文学部, 助手 (20250657)
関根 達人 東北大学, 文学部, 助手 (00241505)
藤沢 敦 東北大学, 文学部, 助手 (00238560)
富岡 直人 東北大学, 文学部, 助手 (90241504)
阿子島 香 東北大学, 文学部, 助教授 (10142902)
|
Keywords | 中神遺跡 / 縄文時代 / 晩期 / 縄文集落 / 縄文土器 / 集落構造 |
Research Abstract |
1996年度は、研究計画にしたがって、(1)岩手県花泉町中神遺跡の調査を実施し、その発掘資料の整理,分析を進めた。1996年9月11日から23日の3週間の調査で、北上川中流域の基幹集落の構造、晩期前葉堅穴住居跡、集落内区画施設、弥生前期埋設土器群などを精査し、台地東側と南側にひろがる包含層の範囲を確認し、大きな成果をえた。ことに、堅穴住居跡の検出によって晩期集落の居住域と廃棄場との関係など集落構造の基本的情報が確保できた。また、土段を伴う溝状遺構は集落内の区画施設であると推定されるが、今後の継続調査を必要とする。墓域で、現在のところ弥生時代前期の遺構が検出されている。 (2)検出した堅穴住居跡では、後期末葉から晩期前半の豊富な資料が出土した。現在、この一括資料と東北北部の曲田I、前田遺跡,東北中部の中沢目貝塚出土資料などとの比較研究を進めている。ことに晩期1、2期の資料が豊富であり、晩期前葉の地域性を解明するうえできわめて有効な資料となった。 (3)岩手県二戸市金田一川遺跡を踏査し、この晩期集落の立地、包含層の広がり、周辺遺跡の状況を確認した。なおこの遺跡から出土した晩期各時期の新資料を資料化することができた。 (4)関連資料として、晩期後半から弥生前期にかけての集落遺跡の調査資料が,宮城県一迫町山王囲遺跡においてえられた。中神遺跡との比較研究によって晩期縄文時代の集落構造の地域性を解明することが可能となった。 現在、これらの調査内容について、報告書にまとめる作業を進めている。
|
Research Products
(1 results)