1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08451084
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
須藤 隆 東北大学, 文学部, 教授 (00004060)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊池 佳子 東北大学, 文学部, 助手 (20250657)
関根 達人 東北大学, 文学部, 助手 (00241505)
藤澤 敦 東北大学, 文学部, 助手 (00238560)
阿子島 香 東北大学, 文学部, 助教授 (10142902)
|
Keywords | 縄文時代 / 集落 / 狩猟 / 漁撈 / 晩期 / 縄文土器 |
Research Abstract |
平成9年度には、研究計画にしたがって、平成8年度に調査した岩手県花泉町中神遺跡出土資料の整理、分析を進めた。殊に1号竪穴住居跡出土資料の整理、分析、解析を鋭意進めた。その結果、晩期前葉大洞BC式と呼ばれる土器群を中心に多量の亀ヶ岡式土器の型式内容が把握され、北上川中流域における晩期前葉の縄文土器の地域性が明らかになり、大きな成果がえられた。第2の成果としては、北斜面含層から出土した多量の動物遺存体、出土石器の整理、分析を行い、晩期後半から終末、さらに弥生時代にかけての狩猟、漁撈活動の実態を知ることができた。殊にサケ科魚類が各層から出土し、その依存度の高さが確認された点は重要な成果となった。第3の成果は、土器の胎土分析の検討結果がえられた点である。この地域での粘土採集、土器作り、焼成などの様々な段階を明らかにする手掛かりが確保された。 また、集落研究関連資料の収集、観察を進めた。特に、宮城県一迫町山王囲遺跡では、縄文時代終末期の集落構造、住居構造を検討することができた。さらに岩手県浄法寺町上杉沢遺跡では、晩期中葉の大洞C1式期の集落構造を検討する機会イえられた。これらの集落構造、層位的資料の検討によって、縄文時代後期、晩期、弥生時代にかけての東日本、ことに東北地方における集落構造の理解を深めることができた。 今後、これらの成果を踏まえ、さらに新たな分析資料を加え、縄文集落研究をより一層内容豊かにしていきたいと考えている。
|
Research Products
(1 results)