古墳時代首長系譜の変動パターンの比較研究

1997 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 08451087
• Research Institution: Osaka University
• Principal Investigator: 都出 比呂志 大阪大学, 文学部, 教授 (90025065)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 杉井 健 大阪大学, 文学部, 助手 (90263178) ; 福永 伸哉 大阪大学, 文学部, 助教授 (50189958)
• Keywords: 前方後円墳 / 首長墓 / 畿内 / 吉備 / 筑紫 / 毛野 / 前期古墳 / 後期古墳

Research Abstract

研究計画の第2年度である平成9年度には、以下のような研究実績があった。
1 西日本および東日本の古墳時代首長墓系譜の変動に関する基礎データを集成した。(主として都出比呂志が担当)。
(1)具体的には、中国方では、吉備地方を中心として、前方後円墳などの首長墓の個々のケースについて編年を再検討し、首長墓系譜の編年関係を分析し、別記のような成果をえた。
(2)また、東日本の毛野地方については、同地方における既往の研究成果に関する文献収集につとめ、首長墓系譜の変動の一般的傾向を把握した。
2 首長墓系譜の変動を詳細に把握するケーススタディの場として選定している京都府の乙訓地域について野外調査を実施した。すなわち、長岡京市域を中心に、分布調査と古墳の測量調査を実施した。具体的には井内車塚古墳の測量調査を実施し、さらにこの地域の首長墓の1つである稲荷塚古墳については前方部の埋葬施設の発掘調査を実施するとともに、後円部の発掘資料の整理作業を継続して実施した。(主として福永伸哉と杉井健が担当)
3 首長墓の編年研究を実施する上に重要となる古墳や出土品の編年作業を実施した。前期古墳の編年(都出比呂志担当)、前期古墳の鏡の編年(福永伸哉担当)、後期古墳の土師器と須恵器の編年(杉井健担当)などについて、別記のような成果があった。

Research Products

• [Publications] 福永 伸哉: "「対半島交渉からみた古墳時代倭政権の性格」" 『青丘学術論集』. 第11集. (1998)
• [Publications] 福永 伸哉: "「銅鐸から銅鏡へ」" 都出比呂志編『古代国家はこうして生れた』. 217-275 (1998)
• [Publications] 杉井 健: "「炊飯様式からみた東西日本の地域性」" 佐原真・田中琢編『古代史の論点』. 第6巻. (1998)
• [Publications] 都出比呂志編著: "『古代国家はこうして生まれた』" 角川書店, 276 (1998)
• [Publications] 都出比呂志(田中琢と共編): "『古代史の論点』第4巻,権力・国家・戦争" 小学館, (1998)