1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08452006
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
高瀬 雅男 福島大学, 行政社会学部, 教授 (90109710)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 真理 福島大学, 行政社会学部, 専任講師 (20282254)
福島 雄一 福島大学, 行政社会学部, 助教授 (30261720)
塩谷 弘康 福島大学, 行政社会学部, 助教授 (50250965)
今野 順夫 福島大学, 行政社会学部, 教授 (60006591)
稲庭 恒一 福島大学, 行政社会学部, 教授 (10036585)
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Keywords | 農協合併 / 合併の組合せ / 合併阻害要因 / 合併規模 / 合併手続 / 合併のメリット / 合併のデメリット / 合併後の労働条件 |
Research Abstract |
東北各県では農協大会の合併決議に基づき、県中合併対策課の指導のもとに、各地で合併研究会、合併促進協議会が設立され、広域合併の取組みが進められている。合併の組合せとしては、作目の共通性、農業経済圏、文化圏、行政圏の共通性などがあげられる。逆に合併阻害要因としては、規模の違い、経営内容の違い、産地形成の有無、立地条件の違い、合併経験の有無、役員ポスト減、地元市町村の反対などがあげられる。合併規模については、旧郡規模の広域合併をめざすところもあれば、それを最終目標としつつ、当面市町村規模の合併を実現するという二段階方式をとるところもある。合併の進捗状況については、進んでいる県もあれば遅れている県もあり、格差は大きい。合併契約が締結されながら、総会で否決される農協もあり、虫食い広域合併になることもある。 合併手続として、広域合併は一般に新設合併によって行なわれる。単協の赤字を持ち込まないのが原則(理事が責任を負う)であるが、努力の跡を示せば認めるところもある。合併比率が2倍以内であれば、持分調製しないところもある。不良債権を抱える農協には合併促進法人により利子補給を行うことがある。 広域合併のメリットとして、営農・生活指導の充実、各種施設の充実、新サービスの提供、生産・販売活動の強化、全国組織との直接取引などがあげられているが、合併の効果が現れるのには時間がかかる。それまではむしろ職員も多く、経営効率が低下することもある。合併のデメリットとしては、支所・出張所の廃統合による利便性の低下、組合員と役職員の距離の拡大、市町村との係わりの希薄化、職員の減少によるサービスの低下などがあげられるが、これらを克服する工夫も提案されている。職員については、合併後の労働条件の統一や後任一部(不)補充による職員の削減が考えられている。いずれにせよ農協合併は現在進行中であり、様々な実態を調査して、評価する必要がある。
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