1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08452006
|
Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
高瀬 雅男 福島大学, 行政社会学部, 教授 (90109710)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 真理 福島大学, 行政社会学部, 助教授 (20282254)
福島 雄一 福島大学, 行政社会学部, 助教授 (30261720)
塩谷 弘康 福島大学, 行政社会学部, 助教授 (50250965)
今野 順夫 福島大学, 行政社会学部, 教授 (60006591)
稲庭 恒一 福島大学, 行政社会学部, 教授 (10036585)
|
Keywords | 農業協同組合 / 農協 / 農協合併 / 広域合併 / 合併賛成 / 合併反対 / 合併集落座談会 / 合併総会 |
Research Abstract |
本年度は福島県内で1994年に7農協が広域合併したA農協の協力を得て、組合員アンケートを実施した(配布数5,940、有効回収数671、有効回収率11.3%)。組合員の販売金額第1位の作目は米、露地野菜、肉用牛の順である。経営耕地面積では1ha未満層と1〜2ha未満層が各々4割を占め、概して零細であり、農業所得割合では3割未満が過半数を超え、農業所得金額でも1百円未満が4割を超えており、自給的農家が多いと推測される。今後の農業経営については現状維持が約6割、縮小が約3割で、拡大はごく僅かである。 合併集落座談会と合併総会の両方欠席は約3割で、7割はどちらかに出席している。合併成立前の合併への考え方は合併肯定(賛成+どちらかといえば賛成)が約3割、合併否定(とちらかといえば反対+反対)が約4割、保留が約2割で、合併否定が多い。合併肯定の理由は「合併しないと生き残れない」が7割以上を占め、否定の理由は「サービスの低下」が6割弱、「旧農協で十分」が約2割を占めている。合併成立後の評価は合併容認(よかった+やむをえない)が3割強、合併否定(しないほうがよかった)が約4割で、合併前に比べ大きな変化はない。 合併前後での事業や管理運営の変化では(利用者のみ回答)、合併のメリットが現れているものは少なく、「変わらない」の割合が高いのが信用・共済事業(不変5割>低下2割)であり、「やや低下+低下」が3割以上のものは購買事業(不変3割>低下3割)、販売事業(不変3割=低下3割)、営農指導(不変2割>低下3割)、職員の窓口対応(不変4割>低下3割)、組合運営(全員回答。不変3割>低下4割5分)であり、低下した事業が多い。なお不明=利用者が少ないのは営農施設(不変1割5分>低下1割)、生活・福祉事業(不変2割>低下2割)である。 改善して欲しいことは、営農面では営農指導の強化、営農資材の購買事業の強化、農作業の受委託の充実、農畜産物の販売事業の強化、市場情報の提供の順であり、生活面では店舗での購買事業の充実、介護など高齢者福祉活動の充実、信用・共済事業の充実、耐久消費財の購買事業の充実の順であり、管理運営面では役員職員の経営管理能力の向上、支店・本店の窓口対応の充実、部落座談会の充実、関係町村との連携強化の順である。 自由記述では、合併後の農協の「営利企業化」という声が多い。
|