1997 Fiscal Year Annual Research Report
偏極移行による高スピン偏極^<12>N核の生成と右巻きW^±ボゾンの探索
Project/Area Number |
08454056
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
酒井 英行 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (90030030)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡村 弘之 素粒子物理国際研究センター, 助手 (10221144)
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Keywords | 偏極移行 / Wボゾン / スピン偏極核 / ベータ放射核 / 縦偏極陽電子 / ダイヤモンド |
Research Abstract |
本研究の目的は,中間エネルギー(150-300MeV)の偏極陽子ビームによる^<12>C(p,^<12>N)n反応で作られた高スピン偏極^<12>N核を,長時間(数10ミリ秒程度)にわたって保持できるような標的物質やホスト物質を探すことである。今年度は最終年度にあたりその研究目標は,昨年度製作した、散乱槽, C型電磁石,検出器等の設置調整ならびに高スピン保持標的の探索実験である。その実績は以下の通りである。 1.大阪大学核物理研究センター(RCNP)の共同利用実験へ課題申請を行い、テスト実験が認められた。 2.散乱槽,C型電磁石,検出器をRCNPの実験室に設置した。 300MeVの偏極陽子ビームがC型電磁石で曲げられても、正常に輸送され放射線のバックグランドを発生しないことを実験的に確かめた。 4.300MeVでの^<12>C(p,^<12>N)n反応を使い、β崩壊から残留核^<12>Nの偏極度を予備的に測定した。標的は、グラフォイル、OHGP、CH_2、ダイヤモンド、多重C+Alフォイル、である。解析が途中であるが、OHGPを除きほとんど偏極が残らないことが発見された。OHGPについては、0.011±0.003程度の偏極が観測された。 5.偏極度の外部磁場依存性を測定した。 テスト実験から本格的な測定に必要な基礎的なデータは得られたが、目的とした大きな残留偏極を示す標的は見つけられなかった。これは、加速器の故障などにより、当初の実験計画に沿って進められなかったことによる。今後も測定を続ける予定である。その結果を待って、最終報告書を作成する。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 酒井 英行・若狭 智嗣: "Gamow-Teller型巨大共鳴クエンチング問題の決着" 日本物理学会誌. 52・6. 441-445 (1997)
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[Publications] T.Wakasa et al.,: "Gamow-Teller strength of ^<90>Nb in the continuum studied via multipole decomposition analysis of ^<90>Zr(p.n)reaction" Phys.Rev.C55. 2909-2922 (1997)
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[Publications] H.Sakai et all.,: "Spin-Isospin Excitations Studied by Ploarized Beams" Nucl.Phys.A599. 197C-210C (1996)
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[Publications] H.Sakai et al.,: "A high-performance neutron polarimeter NPOL2 for the (p,n)measurements at intermediate energies." SPIE. 2867. 408-411 (1997)
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[Publications] T.Uesaka, et al.: "Polarized ^3He project at RIKEN" Nucl.Instr.Meth.A402. 212-217 (1998)
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[Publications] H.Okamura et al.: "Detector system of the first focul-plane of spectrometer SMART at RIKEN" Nucl.Instr.Meth.A406. 78-88 (1998)
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[Publications] N.C.バ-フォード 酒井 英行 訳: "実験と精度と誤差" 丸善株式会社, 190ページ (1997)