1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08454059
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
岩崎 雅彦 東京工業大学, 理学部・物理学科, 助教授 (60183745)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 隆 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (60176162)
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Keywords | K中間子 / 強い相互作用 / X線 / CCD |
Research Abstract |
K中間子原子のX線精密測定は低エネルギー極限でのKN相互作用を知る上で最も基礎的かつ重要な実験である。我々はこの問題を解決すべく独創的な方法による実験を文部省高エネルギー物理学研究所(KEK:現・高エネルギー加速器研究機構)においてK-pのX線精密測定を行い,初めて有為なX線を確認し,負のK中間子と陽子の複素散乱長を決定するのに不可欠なデータを得た。ただし,これのみでは相互作用のアイソスピン依存性を調べることは不可能である。相互作用をひいては強い相互作用の低エネルギー極限での振る舞い(核力)を解明するためには,負のK中間子と陽子の実験の精度を上げるばかりでなく、負のK中間子と重水素原子からのX線を用いたアイソスピンの研究が不可欠である。このため,全く新しい実験手法(超低速K中間子及びCCD X線検出装置)を用いてこの領域の物理を解明しつつある。 本年度で、実験装置の冷却・加圧テストが終了し、テストビームによる予備実験が開始された。これによって、本研究に必要とされるエネルギーの決定精度は6keVで2^〜3eVと極めて高いため、検出器の長期安定動作が極めて重要になる。CCDの低温動作点における高精度の温度制御、エネルギーん絶対値の較正、高放射線下での検出信号の安定性のモニターなど、様々な研究開発が終了した。 加速器の立ち上げが、予定より大幅に遅れているため、本実験の開始が遅れているが、解析にはあなり時間を必要としないため、立ち上がり次第、新たな成果を発表できる見通しである。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] M.Iwasaki et al.: "Observation of Kaonic Hydrogen Kα XRays" Physical Review Letters. 78・16. 3067-3069 (1997)
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[Publications] 岩崎雅彦、中村哲、伊藤健靖: "K中間子水素原子でのX線の精密測定" 日本物理学会誌. 52・4. 272-275 (1997)
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[Publications] M.Iwasaki et al.: "Panic ′96" World Scieutific, 4 (1996)