1998 Fiscal Year Annual Research Report
共鳴型重力波アンテナの高エネルギー宇宙線バックグラウンド測定
Project/Area Number |
08454060
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Research Institution | Miyagi University of Education |
Principal Investigator |
神田 展行 宮城教育大学, 教育学部, 助教授 (50251484)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒田 和明 東京大学, 宇宙線研究所, 教授 (00242165)
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Keywords | 重力波 / 共鳴型アンテナ / 宇宙線 / Fabry=Perot干渉計 |
Research Abstract |
本研究の目的は、共鳴型重力波アンテナに高エネルギー宇宙線が入射した場合の影響を測定および定量的な見積もりを行い、重力波検出のバックグラウンドとしての量を求めることであった。東京大学宇宙線研に設置されている共鳴型重力波アンテナは、銀河系内バースト検出を目標としており、変位検出装置に高感度のFabry=Perotレーザー干渉計を備えている。 本研究では、この変位検出装置の安定運転、宇宙線カウンターの設置、入射宇宙線のシミュレーションを行った。宇宙線カウンターと変位検出装置の同時運転は遅れているが、カウンターまわりの電気回路のセッティングが終わり次第行うことになる。 変移検出装置の感度は^-10^<-17>m〓Hzを達成した。長期観測実験にあたっては、主に温度変化によるレーザー光のアラインメント変化に起因する感度の変動が見られたが、キャビティの透過光量を測定しながら自動アラインメント制御を行うことによって解決した。また温度変化は共鳴周波数の変化も生み出すが、これもPSD(Phase Sernsitive Detector)の復調周波数を測定したコンピュターからリアルタイムにフィードバックすることによって1/1000Hz単位での自動調整が可能になった。これにより長期運転が可能な状態になった。 宇宙線入射のシミュレーションはcERN libraryのパッケージの一つであるGEANTを用いて、100-10GeVの陽子、ミューオン入射時を想定してのエネルギー損失などが見積もられた。先に予想されていたことではあるが、運動量移行よりもエネルギー損失の方がずっと大きい励起を作ることが確かめられた。 宇宙線カウンターは設置架台が完成し、真空槽の開け閉めなどの作業にも支障のない構造で作られた。カウンターは4枚一組で4層(計32チャンネル)がチェックを終えた。宇宙線カウンターが検出器下部に十分なアクセプタンスで設置できないために、高エネルギー粒子の入射イベントとして、検出器の上方でシャワーが起こった場合をターゲットとすることにした。PMTでシャワーを簡易的に判別するために、全てのカウンターの出力はアナログ信号の合計をとり、それをピークホールドしてADCでとるロジックにした。この際、ピークホールドの時間は変位感度検出器のADサンプリング間隔(0.5-1sec)になる。シミュレーション等を通じて、粒子数が判別できるような構成でなければならないことがはっきりした。この点は実験のデザインとしては不十分であった。同時運転の遅れもあり、現時点では宇宙線による励起を特定できていない。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] N.Kanda et.al.: "Data Acquisition System for TAMA Gravitational Weve Interferometer" “Gravitational Weve Detection",Universal Academy Press.15-20 (1997)
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[Publications] N.Kanda et.al.: "Smith's algorithm as a fast trigger for TAMA" “Second Workshop on Gravitational Wave,Data Analysis",EDITIONS FRONTIERES. 209-217 (1998)
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[Publications] N.Kanda: "Data Analysis Methods for Laser Interferometric Gravitational Wave Detection" Proceedings of the 8th Workshop on GRG. 133-145 (1999)