鋼・コンクリート複合構造の耐荷力とダクティリティに関する研究

1997 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 08455212
• Research Institution: Kumamoto University
• Principal Investigator: 崎元 達郎 熊本大学, 工学部, 教授 (50029302)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 渡辺 浩 熊本大学, 工学部, 助手 (60244109) ; 山尾 敏孝 熊本大学, 工学部, 教授 (40109674)
• Keywords: コンクリート充填鋼管 / 拘束を受けるコンクリート / 局部座屈 / 骨組解析 / ダクティリティ / 耐震性能

Research Abstract

鋼管にコンクリートが充填された場合、鋼管は内側に対する変位が拘束されるため、局部座屈挙動が改善される。簡易解析にこの現象を反映させるためには、鋼管の内部に対する変位を拘束した境界条件を有する短柱について局部座屈を考慮した等価な応力一ひずみ関係を定義することが必要となる。昨年度は数種類の鋼種において任意の幅厚比を有する無補剛箱形断面部材における等価な応力一ひずみ関係を提案したが、今年度は実構造を考慮してより汎用性を持たせるため、補剛断面を対象に等価な応力一ひずみ関係の求めた。
ここでは、座屈挙動に大きな影響を与えると見られる補剛材幅厚比パラメータR_Rと補剛材剛比γ/γ^*に着目し、R_Rを0.3〜0.7、γ/γ^*を0.6〜5の各パラメータを組み合わせた17種類の解析モデルを定義し、まずFEMにより繰り返し解析を実施した。そしてその結果を基に、繰り返し履歴特性をR_Rとγ/γ^*の関数として陽な関数で定義した。
なお、コンクリート充填鋼管橋脚模型における繰り返し載荷実験については、建設省土木研究所や名古屋高速道路公社等において大型模型による実験が行われているため割愛し、今年度は解析手法の確立に精力を集中した。
上記の結果を骨組構造解析に適用してプログラムを作成した。これを前述の模型実験に対して解析を行ったところ、以下のような知見が得られた。
○荷重-変位関係の履歴曲線について十分に模擬できた
○崩壊に至る変位を推測することができた
○繰り返し挙動解析の結果をパソコンでも数分で得ることができ、簡易手法としての有効性が示された

Research Products

• [Publications] 崎元達郎, 渡辺浩 他: "局部座屈を考慮した鋼骨組の終局挙動の簡易解析法" 構造工学論文集. Vol.43A. 195-204 (1997)
• [Publications] 渡辺浩, 崎元達郎 他: "コンクリート充填鋼管構造の終局挙動の簡易解析法" 構造工学論文集. Vol.43A. 217-224 (1997)
• [Publications] Sakimoto.T, Watanabe.H. et. al.: "A Simplified Analysis of Steel Frames Fail by Local and Global Instability" Proc. of the 5th Intl. Colloquium on Stability and Ductility of Steel Structures. Vol.2. 777-784 (1997)
• [Publications] Watanabe.H, Sakimoto.T. et. al.: "A Simplified Analysis for the Ultimate Strength and Behavior of Concrete-Filled Steel Tubular Structures" Proc. of the 5th Intl. Colloquium on Stability and Ductility of Steel Structures. Vol.2. 893-900 (1997)
• [Publications] 崎元達郎, 渡辺浩, 冨田聡 他: "繰り返し水平力を受ける鋼柱の終局挙動の簡易解析法" 鋼製橋脚の非線形数値解析と耐震設計に関する論文集. 111-116 (1997)
• [Publications] 大西俊一, 渡辺浩, 崎元達郎: "繰り返し水平力を受けるコンクリート充填鋼管柱の終局挙動の簡易解析法" 土木学会第52回年次学術講演会概要集. I-A. 254-255 (1997)