1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08455330
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
辻川 茂男 東京大学, 工学系研究科, 教授 (20011166)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠原 正 東京大学, 工学系研究所, 助教授 (70187376)
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Keywords | 酸性雨 / 雨水 / pH / ACM型腐食センサ / モニタリング |
Research Abstract |
近年・亜硫酸ガスや窒素酸化物による大気汚染のため雨水の酸性度が高まり、その結果として屋外金属製構造物の腐食やそれに施された塗装の劣化などの問題が生じている。しかし、現在行われている雨水の分析は、雨水採取装置によって所定の量ずつ採取した後に行われるため、実時間的な測定が行われているとは言えない。 本研究の目的は、pHを含む雨水中の各種攻撃的汚染因子濃度を実時間的に測定しうるACM(Almospheric Corrosin Monitor)型腐食センサ(以下、ACMセンサ)を開発することである。ACMセンサとは、卑金属(アノード)/絶縁層/貴金属(カソード)を環境中へ暴露させるもので、異種金属対に流れる短絡電流を測定することにより、大気腐食の様な通常の電気化学的手法が適用できない非没水状況下での環境または材料の腐食性に関する情報を実時間的に得ることができる。 まず、Znの腐食速度が主にpHに依存し付着海塩量にはほとんど依存しないこと、および酸性域でのP_t上におけるカソード反応が水素イオンの還元(2H^++2e^-→H_2)であること、に着目して、Pt-Zn対ACMセンサの酸性雨モニタリングヘの適用を試みた。種々のpHの模擬酸性雨(【SO_4^<2->】:【NO_3^-】=2:1)中でセンサ出力を測定し、pH<5であればセンサ出力がpHおよび導電率に依存し、この依存性はセンサの構造因子(電極幅、電極間距離)によって決まる、ことを見い出した。こうして、構造因子の異なる複数のセンサを当該環境に暴露し、その出力を測定することによって、酸性雨のpHと導電率とを実時間的にモニタリングできる見通しを得た。
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Research Products
(1 results)