1998 Fiscal Year Annual Research Report
(Ti,Al)NのCVD成膜における移動現象と膜組成制御
Project/Area Number |
08455343
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
菊池 淳 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00005307)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 昇 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70166924)
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Keywords | TiN / AlN / 三元系窒化物 / 化学気相析出 / 膜組成 / 微細組織 / ポストアニール |
Research Abstract |
本研究においては、常圧熱CVD法によりTiN膜,AlN膜およびそれらの複合膜を作製し、成膜速度の測定、膜組成の測定を行った。そして成膜速度、膜組成制御を行う目的で反応器内の移動現象に関する数値解析を行った。次に膜組織の観察を行い、as-deposited状態、post-annealed状態での膜粒構造の変化、単独膜と複合膜における相違、1273Kにおける化合物相の形成について調べた。最後に、膜の耐酸化性および膜硬度に関して調べた。これらの結果を要約するとともに本研究の構想との関係について以下述べる。 1、 複合膜の成膜速度および膜組成を、単独膜における成膜速度の加算によりほぼ説明をつけることができた。 2、 TiN膜及びAlN膜の成長速度分布に関して物質移動モデルを提案し,シミュレーションを行った。単独膜の成膜速度に関し、ある程度の数値予測が可能である。 3、 複合膜にはTiNとAlNの数nmから数十nmの粒径を有する微細結晶粒が隣接して存在していた。このため粒成長が生じにかったが、Ti/Al=2の組成を有する膜を1273Kで10hr加熱することにより、Ti_2AlN相による電子回折スポットを得ることができた。 4、 AlNが非常に良好な耐酸化性を有するのに比較し、TiNは973Kにおいても著しく酸化された。複合膜においてはAlNの存在量が少なくても耐酸化性を高めるのに有効であった。一方複合膜の硬度は、TiN単独膜よりも増加し、Ti/Al〜2付近の組成において最大値をとった。この原因としてTi_2AlNの形成を主原因と考える妥当であると思われる。 今後さらに詳細に得られた物性について究明する必要があるが、本研究目的に対し肯定的な結果であると考えられる。
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